私はイヤホンハンター

オーディオで破産!生活保護まで、あと一歩!!

JVC「HA-FD01(ステンレスノズル)」個性的な音なのに何故か全ジャンル万能にこなす!!

【高音】★★★★★

【中音】★★★★

【低音】★★★

【傾向】ドンシャリ

【解像度】普通

【分離感】普通

【音場】狭い

【フィット感】普通

【取り回し】普通

【ドライバー】1DD

【発売当時の値段】35000円ぐらい

【筆者が購入した値段】中古で22000円ぐらい

 

「CLASS-S」なんて書かれると、何の取り柄もない私のような人間も偉くなったような気持ちに!

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スパイラルドット+まで付いた豪華なパッケージ

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所有欲を満たす皮のポーチ

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渋谷で撮影。明るいレストランなのだが、何故か暗い席に案内されるのが陰キャの宿命。

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金属な感じの見た目のFiio Q5sとは、お似合いのショット

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JVCの金属製イヤホンのフラッグシップモデル。JVCと言えばウッドコーンを採用した木製ハウジングのイヤホンやヘッドホンが有名だが、こちらは対極的な金属製ハウジングと言うのが面白い。

 

その音も一筋縄ではいかなくて、正直、DD1発のイヤホンとしては、あまり聞いた事のないような音を奏でる。

 

ハッキリ言うが、私は購入前の視聴時に「この音は無いな」と一度思っている。お値段は35000円と高いにも関わらず、解像度はそんなに高いと感じられず、少し篭ったような印象すら受ける。

 

また1DDというと量感のある低音を想像するだろうが、このイヤホンは一聴しただけでは欠如しているのではないかと思う程、低音の量感が無い。

 

聞きなれない音に、どのジャンルを聞いてもピンとこなくて、このイヤホンを手にする機会はないだろうと思っていたのだが、限定の「りん青銅ノズル」が付いた中古品を見つけてしまい、まんまと購入してしまった。

 

1、音質以外の評価

一番珍しいのはハウジングが回転し、下に垂らしても、シュア掛けしても、それに応じてハウジングが回転しフィットするという機構だ。

 

ただ個人的には、ハウジングがかなり重いため耳に直挿しするのは安定しなかった。実質シュア掛け必須だと考えている。

 

ケーブルはかなり太めだが、しなやかで取り回しは良い。ただあまりにも太くて存在感のあるケーブルのため、夏場は肌に触れるだけで「熱い」と感じてしまう。

 

付属のイヤーピースはスパイラルドット+という、このイヤホンのために作られたスパイラルドットのパワーアップモデル。

 

非常に柔らかく、耳にフィットさせても異物感がない。長く付けていても疲労感がない。

 

反面、遮音性はあまり高くなくて、外の音は結構入り込む印象だ。

 

加えてイヤホン自体も低音の量感が無いため、余計に外音が気になる印象だ。

 

外の音が気になる方はイヤーピースの交換をした方が良いかもしれない。

 

2、音質評価

これがとにかく変わっている。

 

高音は金属筐体らしく派手に出ているが、不思議と刺さらない。いや、音源や音量によっては全く刺さらないわけではないのだが、それでも絶妙な刺さるか刺さらないかのギリギリをビシバシ攻めてくるというか、なんとも表現に困る感じなのである。

 

中音域は豊かだが、モニターライクではなく、リスニング的な音で、ギターロックなんか聞くと心地良いかもしれない。解像度が高い音ではないので、この辺りは好みが分かれそうだ。

 

低音の量感も好みが分かれそうなところで、ほとんど低音が出ていない、または凄くタイトな印象だ。このイヤホンで音楽を聴くにあたって、低音はあまり存在感のある部分とは言い難い。

 

そして不思議なのだが、これだけ個性的な音をしていながら、ジャンル問わず戦えるオールラウンダーで、全ての楽曲をJVC色に染め上げて適応してしまうのが凄い。

 

まずロックだが、これはギターの音も躍動感があるし、シンバルの音もしっかりと鳴り響き、非常に向いているジャンルだと言える。

 

ポップスも金属筐体らしく滑らかな音で鳴らし、艶をもって鳴らす。ジャズやクラシックも同様にHA-FD01独自の響きをもって美しく鳴らす。

 

意外なのがメタル。低音の量感が全然ないにも関わらず、ギターとシンバルの音が際立ち、これはこれでかっこよく聞けてしまうのだ。解像度が低いが故に、古い音源でも対応が可能で、パンクなんかもかなり相性が良い。

 

良くも悪くも他のイヤホンとは表現自体が違うので、好みに合わなければ駄目だと思う。

 

私は聞きこむうちに視聴時の印象はどこへやら、お気に入りのイヤホンになってしまった。

 

今回は購入時に装着されている「ステンレス」ノズルでのレビューになる。今後、「ブラス」、「チタニウム」、「りん青銅」とノズルごとにレビューを行う予定だ。

 

それぐらい、ノズルによって音の印象が変わるイヤホンだと考えている。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

OPPO Reno3a + iBasso DC03 + Apple Musicによるサブスク音源

・プレイボイ・カルティ/Whole Lotta Red(HIP HOP)

Brave Girls/Rollin' - EP(K-POP,女性ボーカル)

 

iPhone 8 + Fiio Q1mk2 + Apple Musicによるサブスク音源

GOJIRA/Fortitude(ロスレス配信)(モダンヘヴィネス)

・ベン・ウェンデル/High Heart(ハイレゾ配信)(ジャズ)

カルヴィン・ハリス /Funk Wav Bounces Vol. 1(ロスレス配信)(EDM,ダンス)

SG Lewis/times(ロスレス配信)(EDM,ダンス)

BTS/BE(ロスレス配信)(K-POP)

 

iPhone 8 + Fiio Q5s(USB接続) + AM3D + Apple Musicによるサブスク音源

Rin/swipe sheep(ロスレス配信)(HIP HOP)

・ベック/Hyperspace(ロスレス配信)(ロック,POPS)

Jimmy Greene/While Looking Up(ハイレゾ配信)(ジャズ)

Pavel Milyakov & Bendik Giske/Pavel Milyakov & Bendik Giske(ジャズ)

Svalbard/Discography 2012-2014(ロスレス配信)(ハードコアパンク)

 

OPPO Reno3a + Fiio Q5s(aptx接続) + AM2A + Apple Musicによるサブスク音源

Thou/Heathen(ドゥームメタル)

 

※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △

 

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金属筐体!って感じの響き方ではあるけれど、個人的にはかなりマッチしているように感じる。

 

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あまり解像度重視のイヤホンだとは考えていないが、ミドルテンポの曲では楽器の音が繊細に聞こえて面白い

 

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お上品な音楽も色々と聞いてみたが、荒々しいパンクなんかが一番このイヤホンに合っている気がする。特に金物の音が良い。

 

【総評】

 

どの音源も、このイヤホンの色に染めてしまうところがあり、それが不満に思うのであれば合わないし、反対にどのジャンルにも対応できる万能イヤホンとも捉えられる。

 

元々、それなりに愛用してきたイヤホンだが、改めてレビューのために聴きなおすと使い勝手がいいなと思わせられるところがあり、リケーブルでの可能性の広がりを考えても面白いイヤホンだ。

 

ここまで言っても初心者にはどうも薦めづらいイヤホンで、何本かイヤホンを所持経験のある中級者以上の方が楽しむのが良い気がする。

 

【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10

【名機認定!!!】

LEAR「LUF-Skyline JP」女性ボーカルの表現が素晴らしいウォームな1本!!

【高音】★★★★

【中音】★★★★★

【低音】★★★★

【傾向】ウォーム

【解像度】普通

【分離感】普通

【音場】近い

【フィット感】良い

【取り回し】普通

【ドライバー】1DD

【発売当時の値段】22800円ぐらい

【筆者が購入した値段】中古で4000

【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10

 

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香港のイヤホンメーカーLEAR。こちらの2019年発売のイヤホンは、同ブランドが掲げる「ヒアリングケア」のコンセプトに基づきチューニングされたそうだ。

 

要は耳に優しい音質という話だ。

 

また「ブラックチェッカー」という色は日本独自デザインらしい。

 

ただ正直なところ、この高級感の無い見た目で22800円という事で、あまり売れなかったのではないかと推測される。

 

私だけかもしれないが、ヒアリングケアとか、聴覚に優しいなんてワードが出てくると、高音の伸びが悪く、抜け感の悪いイヤホンではないかとマイナスイメージも持ってしまう。

 

今回は中古で安く手に入ったのでレビューしてみるが、誰も話題にもしない、かなりマイナーなイヤホンだ。

 

1、音質以外の評価

本来であれば豊富なイヤーピースが付属するはずだが、中古のためMサイズと思われるイヤーピースが1ペアだけ付属していた。

 

耳に丁度よく収まったので、純正イヤーピースを継続して使っている。

 

ちなみにステムの口径はかなり大きめ + 楕円形で、上手く装着できないイヤーピースもありそうだ。スパイラルドット等なら容易に装着できると思う。

 

2、音質評価

意外と言っては失礼だが、想像よりずっと好みの音で、同価格帯の他のイヤホンと比較しても十分に薦められるものだった。

 

高音は出てはいるが、存在感は薄い。「ヒアリングケア」を提唱しているだけあり、ほとんど刺さらない。丸みのある音だ。

 

音の方向性は違うがWESTONEのイヤホンのような意図的に刺さらなくしているチューニングである。

 

中音域は明瞭。ボーカルを中心にバックの演奏も価格相応に鳴らす。

 

特にボーカルの立ち上がりなんかは凄まじいリアリティで、女性ボーカルの再現なんかは本当に素晴らしい。

 

またスピード感のある曲も難なくこなすが、どちらかと言えば落ち着いたアコースティックな楽曲の方が向いていると思った。

 

低音は量感があるがボワつくような事はなく、全体を支えてくれているような印象。

 

ウォームという言葉が当てはまる、中低域重視の音。高音キラキラを求める層には違うだろうが、全体のバランスはかなり良い。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

●NW-ZX300(直挿し)

TWICE/#TWICE

 

OPPO Reno3a + NIK58-TUBE + Apple Musicによるサブスク音源

HEIZE/HAPPEN(K-POP,女性ボーカル)

Astarot/Raw Sensation of Nostalgia and Nihilistic(ブラックメタル)

Dave Bixby/Ode To Quetzalcoatl(アシッドフォーク)

ポルカドットスティングレイ/赤裸々 - EP(ロック,女性ボーカル)

MORISAKI WIN/PARADE - EP(J-POP)

 

OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源

BTS/BE(K-POP)

Dua Lipa/Future Nostalgia(POPS,女性ボーカル)

・ザ・ウィークエンド/After Hours(POPS,R&B)

 

iPhone 8 + Fiio Q1mk2 + Apple Musicによるサブスク音源

きゃりーぱみゅぱみゅ/なんだこれくしょん(ロスレス配信)(J-POP,女性ボーカル)

 

iPhone 8 + μAMP109G2 +Apple Musicによるサブスク音源

LEA/Treppenhaus(ロスレス配信)(POPS,女性ボーカル)

・カンデ・イ・パウロ/Cande y Paulo (Japan Deluxe)(ロスレス配信)(ジャズ,女性ボーカル)

 

私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。

かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △

 

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HEIZEの伸びやかな声を臨場感を持って再現している。女性ボーカルものにはめっぽう強い。

 

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先行シングルの「青い」よりも、カップリング曲の「トーキョーモーヴ」や「トゲめくスピカ(タテヨコver)」等のスローテンポの曲が、このイヤホンの特性とマッチする。

 

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K-POPの大ヒット曲も、LUF-Skylineのウォームな音の方向性とマッチして、楽しく鳴らす。

 

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アルゼンチンの女性ボーカルとピアノのデュオ。こういう楽曲が一番合う気もする。

 

【総評】

 

現状は新品で12000円ぐらいで買えるので、かなりお得だ。

 

中高音域重視でキラキラしたサウンドが好まれる時代に、中低音重視でウォームというのは少し時流には合っていないのかもしれないが、女性ボーカルの卓越した表現には目を見張るものがある。

 

ボーカル好きの方は是非選択肢に加えてもらいたいし、アタック感のあるDDドライバーらしい低音も好みに合えば楽しめるはずだ。

 

私はこの1本でLEARというメーカーに対する印象も良くなったし、また機会があればLEARのイヤホンを新規で購入したいと思える程だった。

 

まさに隠れ過ぎた名機である。

KBEAR「KBEAR 07」某イヤピとは違って中低域重視のイヤピ!!

ついにイヤーピースにもジェネリック?!

 

こちらは低価格中華イヤホンで好評を博したブランド、KBEARのイヤーピースで、名前も「KBEAR 07」と、高評価を得ている某イヤーピースを絶対的に意識した名前になっている。

 

5サイズセットで850円。自分の耳に合わないペアもあるだろうが、5ペアでケース付きで850円というのはリーズナブルだ。

 

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さて、肝心の音を確認していこう。

 

まずイヤーピースだがS、M-、M、M+、Lの5サイズ。軸の色でサイズが判別できるため、どれがM-でどれがM?なんて困る事はない。

 

Mでも平均的なイヤーピースに比べると少し大きめな印象で、私は普段はM~Lサイズのイヤーピースを使うが、このKBEAR 07ではM-とMをイヤホンに合わせて替えるような形で、それより上のサイズは使わなかった。

 

音は低域の量感が増えて、中音域が整理される。高域は大きな変化がなく感じた。

 

中高域重視で、シンバルの金属音が炸裂する元ネタのイヤーピースに比べると、音の方向性は全くの別物だ。

 

Campfire AudioのIOに付けてみたところ、元から付属していたEタイプに比べて低音の量感が増して、よりロックやメタル等のジャンルに向くような音になった。

 

TFZのKING EDITIONにも付けてみたが、このイヤホンだけは低域の量感が減った気がする。中音域が鮮明になって、そのように錯覚して聞こえたのかもしれない。

 

ゼンハイザーIE 40 PROでは純正イヤピだとモニターチックな音だったのが、KBEAR 07に替えると全体的に躍動感のあるリスニング向きの音になった。フィット感も良好。

 

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final E4000では名作Eタイプが付いていたので、あまり良い変化を期待しなかったが、低域の迫力が増し、中音域の描写が丁寧になり、想像以上の良い変化があった。

 

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昨今はイヤーピースの高騰化が進み、2ペアで1000円越えのイヤーピースもザラにあるが、こちらのイヤーピースは850円で5サイズ・5ペアという良心的な金額で、一線級のイヤーピースと戦えるだけの実力がある。

 

残念ながら、イヤーピース沼にハマった方々の有力な選択肢になる可能性が高く、100均で買った収納ケースにイヤーピースを管理しているような諸兄には、是非とも選択肢に加えてもらいたい一品だ。

Fiio「F9PRO」表現力豊かな低音に支えられれジャズ・クラシック最高ホン!!

【高音】★★★★

【中音】★★★★

【低音】★★★★

【傾向】ウォーム

【解像度】良い

【分離感】良い

【音場】広い

【フィット感】良い

【取り回し】普通

【ドライバー】2BA + 1DD

【発売当時の値段】21000円ぐらい

【筆者が購入した値段】中古で4900円ぐらい

【点数】 ★★★★★★★ 7/10

 

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2018年に発売したFiioF9シリーズのフラッグシップモデルだ。

 

本来は大量のイヤーピースと2.5mmバランス接続用リケーブルが付属しているが、今回は中古をめちゃくちゃ安く手に入れたために、そのような付属品は付いていない。

 

付いているのは画像の純正イヤーピース(恐らくMサイズ)1つのみだが、偶然にも私の耳にフィットするサイズで良かった。

 

1、音質以外の評価

3.5mmケーブルは触り心地もよく、シンプルな黒ながら高級感がある。多少絡まりやすいが許容範囲内だ。

 

金属ハウジングだが、実際に手に取ってみると想像より軽く感じた。

 

2,音質評価

高音はBAドライバーらしく伸びがあって美しく響く。イヤーピースにもよるが、なかなか存在感がある。

 

中音域は綺麗に出ているが、ボーカルは近くは感じない。POPSを再生するとボーカルとバックの演奏全体でバランス良く聞かせる。

 

特筆すべきは低音で、量感があるわけではないのだが、ウォームで深みのある、まろやかな音を奏でる。

 

この低音が好みの分かれるところだろうが、ジャズやクラシックでは独特な音色を持ってF9PROの個性を発揮する。

 

全体的にはフラットな音色で、一聴しただけでは没個性なイヤホンにも感じる。

 

3、イヤーピース

中古で買って付属のイヤーピースも1種類だけだったため、定番の物を色々と試してみた。

 

AET07低音がタイトになり、高音が伸びるようになる。シンバルの音は、より金属感を強調する。ロックやパンクはAET07のが良いかもしれないが、低音のウォームな魅力は失われ、女性ボーカルが刺さると感じる時もありそうだ。

 

・スパイラルドット→低音の存在感が増し、F9PROの本来の音に一番合っていると思う。高音はやや控えめな印象。

 

final Eタイプ→解像度が上がりアタック感が増す。無難だが良い選択肢だ。

 

CP100低音がスッキリとして、ボーカルが少し前に出てくるような印象。F9PROの本来の印象とは違うが、個人的に結構好きな組み合わせだ。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

●Fiio M9(直挿し)

Aimer/Walpurgis(ALAC)(J-POP,女性ボーカル)

DAOKO/THANK YOU BLUE(ALAC)(J-POP,女性ボーカル)

CHAI MUEANGSING/CTR509(ALAC)(タイミュージック)

 

●NW-ZX300(直挿し)

・午前四時/LIVE BOOTLEG+8(ALAC)(ロック,パンク)

相対性理論/シフォン主義(ALAC)(J-POP,ロック)

 

OPPO Reno3a + xDuoo XD-01

アントニオ・パッパーノ, Orchestra dell'Academia nazionale di Santa Cecilia & Bertrand Chamayou/Strauss: Ein Heldenleben & Burleske(クラシック)

・ジョバンニ・グイディ/Avec le temps(ジャズ)

NEHANN/New Metropolis(ロック,ストパン)

・テオドール・クルレンツィス & MusicAeterna/Beethoven: Symphony No. 7 in A Major, Op. 92(クラシック)

土岐麻子/PINK(J-POP,女性ボーカル)

Apifera/Overstand(ジャズ)

 

私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。

かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △

 

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ベースの音を追うと気持ち良すぎる。バンドの音作りと、このイヤホンの方向性が合っている気がする。

 

Strauss: Ein Heldenleben & Burleske by Antonio Pappano, Orchestra dell'Academia nazionale di Santa Cecilia & Bertrand Chamayou on Apple Music

オーケストラの躍動感ある演奏を、低音が支えつつダイナミックに表現する。

 

Avec le temps by Giovanni Guidi on Apple Music

ベースとピアノの音が生々しく響き、ライブ感もある。贅沢なサウンド

 

【総評】

 

ジャズ、クラシックに関しては、ほとんどの音源が非常に相性が良い。特に私のようにベースラインを追いたい人間にはたまらないのではないだろうか。

 

全体的にフラットで優しい表現なので、ポップスやロックにメリハリを求める人には別のイヤホンが合うかもしれない。

 

だからと言ってポップスやロックが合わないわけではなく、楽曲とマッチした時には他のイヤホン以上に良い。

 

一聴しただけで惹かれるようなイヤホンではないのだが、使い続ければ続けるほどポテンシャルを感じる1本だ。

intime「碧 Ti3」イヤホンの1つの完成系!!

【高音】★★★★

【中音】★★★★★

【低音】★★★★★

【傾向】ウォーム~ドンシャリ

【解像度】良い

【分離感】良い

【音場】普通

【フィット感】良い

【取り回し】良い

【ドライバー】Φ10mmダイナミックスピーカ+VST2HDSS(R)

【発売当時の値段】20350

【筆者が購入した値段】中古で15000円ぐらい

【点数】 ★★★★★★★★★★ 10/10

 

Fiio Q5sとTi3。渋谷の中華屋にて。

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トライアングルの革のケースがカッコ良すぎる。意外と使い勝手も良い。

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便利なイヤピケースも付属する。

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恐るべしintime。これは現代のイヤホンとして、1つの完成品であると言い切ろう。

 

それぐらいに素晴らしい。

 

1、音質以外の評価

ハウジングは金属製なので一定の重さは感じるが、耳から落ちるような重さではなく、フィット感も良好。

 

ハウジングの形で左右が判別できるため、暗いところでも安心。

 

リケーブル不可だが、ケーブル自体の取り回しが良く、絡まりづらい。

 

シュア架けも可能だが、耳に直接入れるだけでもフィット感が良く、特別にシュア架けの必要性も感じさせない。

 

付属イヤーピースは名作と言われたAET07で、音もフィット感も良く、交換の必要性を感じさせない。

 

革製のポーチは個性的な三角形ながら、高級感があり、使い勝手も良い。

 

欠点と言えば、優等生過ぎて面白みが無い事ぐらいだろう。

 

2、音質評価

高音は出ていないわけではないが、量感のある低音が印象的で、あまり印象に残らない。

 

ただ不思議と女性ボーカル物を聞くとボーカルが低音に埋もれず前に出てくるし、綺麗に聞かせる。

 

また高音自体は直挿しだと伸びが悪いと感じただけで、音自体は繊細に、よく分離して出ている。

 

そのため中高音重視のDAPやアンプで再生すれば、おのずと高音も目立って聞こえる。

 

中音域はギター等の楽器の音などが繊細に表現される。細かく描きすぎてスピード感が犠牲になる時もあるが、多くの場合は充実して聞こえるだろう。

 

低音は量感多め。これは好みの分かれるところで、中高音域重視の方で、この低音の量感は多すぎるという方もいるだろう。

 

ただしボワつくような印象はなく、上質で、ありとあらゆるジャンルを楽しく聞かせられる要因となっているのが、この低音ではないかと考えている。

 

こちらのイヤホンはライトユーザーから支持を受けているintimeらしく、スマホ直挿しでもかなり鳴る。

 

スマホユーザーにとっては究極の選択となるだろう。

 

上述より、サブスクに関しては当初はスマホ直挿しで使っていたが、高音の伸びに物足りなさを感じて、高音が伸びるFiioAM2Aモジュールアンプにお世話になった。

 

ポタアンは高音が伸びるものを使うと、低音も引き締まり、足りない部分が保管されて良いかもしれない。

 

3、同社のイヤホンとの比較

前作に当たる「煌」、「轟」の良い部分をブラッシュアップさせたと言える。

 

ただし、初代「碧」や「煌」が持っていたような高音の伸びは鳴りを潜め、刺さりづらい必要最低限の高音となっている。

 

低音の量感は「轟」と同じぐらい出ているが、「轟」のようなスピード感やタイトさは無い。

 

「煌」や「轟」が「Ti3」の開発のヒントになったであろうことは間違いないが、音の傾向としては、そのどちらとも違うものになっていると思う。

 

そのため「煌」や「轟」を持っている方も「Ti3」を買う意味はあるし、その逆もしかりである。

 

タイトで量感すくなめの低音だった初代「碧」に比べると、かなり方向性が変わったと感じる。

 

「碧 light」のサウンドがパワーアップしたような印象もあり、「碧 light」ユーザーがこの音に一番すんなりとハマれるのではないだろうか。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

OPPO Reno3a(直挿し)

Lifelover/Erotik(ブラックメタル)

・にしな/odds and ends(J-POP,女性ボーカル)

・マチルダ/NEO TOKYO(ロック,V)

(sic)boyKM/social phobia - EP(ロック,HIPHOP)

 

OPPO Reno3a + Fiio Q5s(aptx接続) + AM2A

Black Country, New Road/For the First Time(ロック,ストパン)

・ハイ・コントラスト/Notes From The Underground(ドラムンベース)

・いよわ/ねむるピンクノイズ(ボカロ)

 

●NW-ZX300(直刺し)

さユり/(ALAC)(J-POP,アコースティック,女性ボーカル)

Tricot/10(ALAC)(J-POP,女性ボーカル,ロック)

 

私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。

かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △

 

さユりの「め」をApple Musicで

特別、ボーカルが前に出るタイプのイヤホンという印象はないのだが、このようなアコースティック+女性ボーカルのような音源では見事なまでに艶のあるボーカルを聞かせる。アコギの音も繊細に聞かせるが、低音の量感がありウォームに聞かせるため、刺さるような事はない。

 

Black Country, New Roadの「For the First Time」をApple Musicで

各楽器の音が立体感を持ち、非常に密度の濃い音を鳴らす。各楽器が競い合っているかのような様は、このイヤホンの描写力ならではだ。

 

tricotの「10」をApple Musicで

女性メンバーによるポストロックのアルバム。スピード感のある曲が多いのだが、AM2Aのような高音重視のアンプと合わせれば、繊細かつスピーディーに鳴らしきる。ベースラインなんかは鳥肌が立つほどだ。

 

【総評】

 

低音を中心に中高音を組み立てた、現代のイヤホンの完成形と言える内容で、ほとんどのジャンルを楽しく鳴らす。

 

ただし金属筐体のイヤホンと聞くと中高音重視でスピード感のあるものを想像する方も多いだろうが、Ti3に関しては量感のある低音が目立つし、楽器の音を細かく描く事を得意としているためスピード感はあまり感じない。

 

昨今の2万円前後のイヤホンの中でも個性的な音だと思うので、迷っている方は是非視聴の上でご検討いただきたい。

 

個人的には素晴らしい1本だった。

 

ULTRASONE「GO Bluetooth」携帯できるゾネホン!!外でもS-Logicがキレキレ!!

【高音】★★★★★

【中音】★★★★

【低音】★★★★

【傾向】ドンシャリ

【解像度】良い

【分離感】良い

【音場】普通

【フィット感】普通

【取り回し】普通

【発売当時の値段】20000円ぐらい

【筆者が購入した値段】中古で3000円ぐらい

【点数】 ★★★★★★★ 7/10

 

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USB A - 3.5mmという充電ケーブル。他では見た事ない。

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キャリングポーチは安っぽいが、エントリーのポータブルモデルなので仕方ない。有線コードも付属。

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ドイツのオーディオメーカー、ウルトラゾーンのヘッドホン。

 

モニターヘッドホンのリリースが多い同社の中では珍しいポータブルのリスニング向けとして登場したのが初代「Go」。

 

その「G0」をBluetooth対応にして、更に初代の欠点を改善したのが「GO Bluetooth」である。

 

主に改良されたのは、ヘッドバンド長で、初代「Go」は頭の大きな人は付けられないと言われる程にヘッドバンドが短かったが、それが一般的な長さになったようだ。

 

それでも、結構コンパクトな印象で、付けられるは付けられるが頭の大きな人には向いていない気がする()

 

元々は20000円前後で、ワイヤレスヘッドホンとしてそれなりの金額だったが、2020年に大幅なお値下げとなり、新品が6000円ぐらいで出回るようになった。

 

私は更にその後、中古で3000円ぐらいで売られたものを運よく入手した形になる。

 

1、音質以外の評価

 

オンイヤータイプ。東京の屋外で使うと、車の音など様々な騒音が耳に飛び込んでくるが、オンイヤー型なので致し方ないところだろう。

 

耳に良いかはわからないが、音量を少し上げる事で遮音性は確保できる。

 

フィット感は悪くないが、側圧が強めで、1時間以上使うと耳が物理的に痛くなってくる。

 

また長さ調節のアジャスターが硬めで、頭に押し当てながら伸ばすというよりは、事前に伸ばしたものを装着する印象になる。

 

充電は3.5mmイヤホンジャック端子を使った特殊なもので、私は、このヘッドホン以外で使われているのを見た事がない。

 

そのため充電コードは大切に無くさないようにしたい。

 

有線接続時の3.5mmヘッドホンコードは高級感こそないが、取り回しが良く、扱いやすい。

 

本体に付いてる3つのボタンは、音量の上げ下げと、電源ボタンと曲の停止と再生機能を兼ねたボタンが存在する。

 

昨今のBluetoothヘッドホンの操作ボタンは複雑で直感的じゃないものが多いため、これぐらいシンプルな方が好印象だ。事実使いやすい。

 

接続は昨今の接続が良好なBluetoothイヤホン・ヘッドホンのイメージで考えると、あまりよくないと思う。

 

東京の通勤電車内や、新宿の交差点などの人が多い場所では頻繁に音が切れる。

 

またズボンのポケットに入れると、やはり音が切れやすくなる。今回はほとんどの場合、ワイシャツの胸ポケットにプレーヤーを入れていたが、それでも多少の途切れを感じるので、少しでも音が切れると許せない方には向かないと思う。

 

ただapt-xは音切れの多いコーデックなので、コーデックを変えられるプレーヤーならSBC等で繋げばもっと安定した接続状況になるかもしれない。

 

2、音質評価

高音は硬く分析的。伸びやかでもある。

 

ポータブルだがウルトラゾーンの専売特許であるS-LOGICが使われており、ゾネホン特有の刺激的な高音が健在だ。

 

中音域も明瞭だが、この音域に限らずデジタル感のある音作りが好みの分かれるところだろう。

 

ボーカルは遠くも近くもなく適度な距離感で鳴っている印象だ。

 

低音は結構強めに出ているが、ボワつく印象はなく、タイトで解像度の高い上質な低音が出ている印象だ。

 

ちなみにBluetooth接続でも十分評価に値する音が出ているのだが、有線接続でヘッドホンアンプを使用すると、音の性質はそのままに解像度が高まり、音がかなりパワーアップする。

 

定価の2万円前後のヘッドホンと十分に渡り合える実力があるため、6000円以下で買った場合は、かなりお得感がある。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

OPPO Reno3 A(apt-x接続)

Snowk/Powder(EDM,エレクトロニカ)

00110100 01010100/871(エレクトロニカ)

BURIAL/UNTRUE.(アンビエント,テクノ)

Icarus/This Must Be the Place - EP(エレクトロニカ)

Taake/Over Bjoergvin Graater Himmerik(ブラックメタル)

 

MacBook Air + AL-38432DRⅡ

・Skream/Chesters Groove EP(テクノ) ○

・Ado/踊(J-POP) ○

・Ado/うっせぇわ(J-POP) ○

 

●NW-ZX300(apt-x接続)

THE VELVET UNDERGROUND/white light/white heat(AAC)(ロック)

TWICE/Eyes wide open(ALAC)(K-POP)

 

Untrue (Bonus Tracks Version) by Burial on Apple Music

テクノ系の音楽ジャンルだと、量感のある低音がライブ感を持ち、まるでクラブにいるかのように音を鳴らす。高音が人によっては少し刺さる印象なので、刺さりが嫌いな方は要注意だ。

 

Over Bjoergvin Graater Himmerik by Taake on Apple Music

ノルウェーブラックメタル2nd。「Go」はデジタル感の強い音作りが好みの分かれるところだと思うが、ヘヴィメタルに関しては違和感なく適応し、高音の伸びも良い感じだ。ドラムの速いビートもダマにならずに聞こえる。硬質な音作りが、このアルバムに限らず、ヘヴィメタルに適していると思う。

 

Eyes wide open by TWICE on Apple Music

K-POPのようなデジタル処理のPOPSは非常に得意で、解像度、分離感、共にポテンシャルを発揮し、別のイヤホンやヘッドホンでは聞こえてこなかった音が聞こえてくるかのようだ。

 

【総評】

 

定価で買っても十分に価値のあるものだったと思うが、値崩れを起こしてからの金額は破格と言える。

 

ULTRASONE自体が好みの分かれる音作りのメーカーだと思うので、誰にでもおすすめとはいかないが、6000円以下で購入できた場合には同価格帯のヘッドホンとは比べ物にならない力を発揮するだろう。

 

ポータブルだが、据え置きとして使っても良いと思う。良質なヘッドホンだった。

 

KINERA「Freya」美しいハウジングにウォームで万能な音!!

【高音】★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★
【傾向】ウォーム
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】良い
【取り回し】良い
【ドライバー】3BA + 1DD
【発売当時の値段】26890円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で18000円ぐらい
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10

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KINERABd005ESEED等の、安価ながらハイブリッド構成イヤホンがヒットし、国内でも知名度を上げた中国メーカーだ。

 

そのため日本ではコスパ重視のメーカーと思われている節があるが、本国では高額でデザイン性のあるイヤホンをメインに販売している。

 

こちらも約3万円と決してお安いイヤホンではないが、そのパッケージやハウジングには驚愕だ。

 

六角形の箱型パッケージは「特別な物を買った」と言う気持ちにさせ、その内容も充実。

 

純正イヤーピース3サイズに加えて、finalEタイプ・イヤーピースも3サイズ、iPhoneとの変換アダプタに、6.3mm変換プラグまで入っており至れり尽くせりだ。

 

ちなみに変換アダプタは本国では3.5mm TYPE C端子の物になっているらしく、国内で出回っているものはiPhoneが普及している日本仕様に変更されているのだろう。

 

またハウジングも値段以上に美しく10万円前後のイヤホンのデザインセンスに匹敵する。実際に首にかけているだけで一般人の度肝を抜くし、ファッションアイテムとしても良いかもしれない。

 

1,音質以外の評価

とにかくビルドクオリティが高い。このハウジングだけで所有欲を満たし、高級で特別な物を所持しているという優越感に浸れる。

 

また高級イヤホンの中には重くて装着感が悪いものも多いが、こちらのFreyaは想像以上に軽く装着感も良好だ。

 

ケーブルも色合いが美しく高級感のあるもので、取り回しも良い。

 

イヤーピースも名作と言われたEタイプが入っているし、純正のものも適度な柔らかさで装着感の良いもので、ほとんどの人がピタリとハマるのではないだろうか。

 

私は純正とFinal Eタイプ、両方で試してみたが、Eタイプの方が低音が上質になり、中音域も鮮明になる気がする。ただ純正イヤーピースのが高音は出ている気がする。どちらも長所があって悩ましいが、私は主にEタイプのMサイズで使ってみる事にした。

 

2,音質評価

高音は出ているが、刺さりとは無縁。多少、表現が雑なので、解像度重視の方や、キラキラ系が好きな方には不向きな気がする。

 

主張がないわけではないのだが、WESTONEのイヤホンのように敢えて刺さらないように丸い音に調節されている気がする。

 

中音は出ているが、他の帯域と比べて特別にという印象ではない。ボーカルも遠からず近からず。最近の中華イヤホンに多いような、女性ボーカルが強調されるようなタイプではない。

 

低音は量感多め。スマホ直刺しだと特にウォームに感じると思う。ただし上流を変える事でかなりスッキリした音になる。弾力性のある音で、パキパキとした音ではない。包み込むように優しい低音だ。

 

こちらのイヤホンは変換アダプタが入っている事が示すように、スマホ直刺しのライトユーザーにも向けられていると思う。インピーダンスも低く、実際に直刺しで再生しても、それなりに高音質で楽しい音で音楽を聴く事ができる。

 

ただし本領発揮するのは、やはりポタアンやDAP等の出力のある機器で試していただく事だ。特に上流によって音が大きく変わるので、かなりのポテンシャルを秘めていると言えよう。

 

それぞれの帯域について書くと、なんだかいまひとつなイヤホンのようだが、実際はその逆で、全ての帯域が平均以上のステータスで、実に万能な音だ。

 

得意なジャンルを一つ上げるのであればポップスになるだろうが、ブラックメタルのような特殊なヘヴィメタルのジャンルも難なくこなせたし、ジャズなんかも優しくウォームに奏でてくれてよかった。

 

ただ人によってはボーカルがもっと近い方が良いだとか、高音が鮮明な方が良いだとか、求めるものがあると思う。同価格帯のイヤホンの中では個性的だと思うので、環境があれば視聴してもらいたいところだ。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源

HG/瞬きもせずに(J-POP,女性ボーカル)

Mega Shinnosuke/東京熱帯雨林気候 - EP

 

OPPO Reno3a + xDuoo XD-01

・ジョバンニ・グイディ/Avec le temps(ジャズ)

 

OPPO Reno3a + Fiio Q5s + AM2A

ACE COLLECTION/L.O.V.E.(J-POP,ロック)

・崎山蒼志/find fuse in youth(J-POP,男性ボーカル)

 

●Hif4881 2pin-4.4mm(単結晶銅ケーブル) にリケーブル後,OPPO Reno3a + Fiio Q5s + AM3D

Humanity's Last Breath/Välde(ブラックメタル)

John Carroll Kirby/My Garden(ジャズ)

Ado/

Ado/ギラギラ

 

●Hif4881 2pin-4.4mm(単結晶銅ケーブル) にリケーブル後,NW-ZX300に直挿し

KROHM/The Haunting Presence(ブラックメタル)

Aimer/Walpurgis(J-POP,女性ボーカル) 

・ずっと真夜中でいいのに/ぐされ(J-POP,女性ボーカル)

 

上流を変えると音がかなり変化するため、ポタアンを変えるのが楽しくなってしまった。またケーブルを変えても明らかな効果が出た。

 

Hif4881と低音が厚く上質になり、ジャズやメタルと言ったジャンルを楽しく聴けるようになった。ただし純正ケーブルのスッキリ感は軽減したため、必ずしもパワーアップしたとは言い難いが、バランス接続での音楽も楽しんだ。

 

瞬きもせずに+ by H△G on Apple Music

J-POP女性アーティストのアルバム。バックの演奏も迫力もって聞こえるし、ボーカルが近すぎないのが反対に適切に感じた。このアルバムは本当にこのイヤホンに合っていたと思う。

 

Humanity's Last Breathの「Välde」をApple Musicで

ブラックメタルバンドの2021年のアルバム。このイヤホンに特別に合っている内容だったとは思わないが、厚みのあるリフもパワフルに再現し、ドラムの早いビートも音が被さる事なく再現した。バランス接続だった事もあると思うが、潜在的な解像度が高いのかもしれない。

 

POPSを美しく奏でながらも、このような特殊で過激なジャンルも見事に再生するのは、まさに万能機だろう。

 

【総評】

 

KINERAはイヤホンが発売されるごとに方向性が違うので面白い。

 

リケーブル効果含めてポテンシャルの高さを感じたので、末長く付き合っていきたいイヤホンだ。金額以上の価値がある品と言えるだろう。