【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【発売当時の値段】20000円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で3000円ぐらい
【点数】 ★★★★★★★ 7/10
USB A - 3.5mmという充電ケーブル。他では見た事ない。
キャリングポーチは安っぽいが、エントリーのポータブルモデルなので仕方ない。有線コードも付属。
ドイツのオーディオメーカー、ウルトラゾーンのヘッドホン。
モニターヘッドホンのリリースが多い同社の中では珍しいポータブルのリスニング向けとして登場したのが初代「Go」。
その「G0」をBluetooth対応にして、更に初代の欠点を改善したのが「GO Bluetooth」である。
主に改良されたのは、ヘッドバンド長で、初代「Go」は頭の大きな人は付けられないと言われる程にヘッドバンドが短かったが、それが一般的な長さになったようだ。
それでも、結構コンパクトな印象で、付けられるは付けられるが頭の大きな人には向いていない気がする(笑)。
元々は20000円前後で、ワイヤレスヘッドホンとしてそれなりの金額だったが、2020年に大幅なお値下げとなり、新品が6000円ぐらいで出回るようになった。
私は更にその後、中古で3000円ぐらいで売られたものを運よく入手した形になる。
1、音質以外の評価
オンイヤータイプ。東京の屋外で使うと、車の音など様々な騒音が耳に飛び込んでくるが、オンイヤー型なので致し方ないところだろう。
耳に良いかはわからないが、音量を少し上げる事で遮音性は確保できる。
フィット感は悪くないが、側圧が強めで、1時間以上使うと耳が物理的に痛くなってくる。
また長さ調節のアジャスターが硬めで、頭に押し当てながら伸ばすというよりは、事前に伸ばしたものを装着する印象になる。
充電は3.5mmイヤホンジャック端子を使った特殊なもので、私は、このヘッドホン以外で使われているのを見た事がない。
そのため充電コードは大切に無くさないようにしたい。
有線接続時の3.5mmヘッドホンコードは高級感こそないが、取り回しが良く、扱いやすい。
本体に付いてる3つのボタンは、音量の上げ下げと、電源ボタンと曲の停止と再生機能を兼ねたボタンが存在する。
昨今のBluetoothヘッドホンの操作ボタンは複雑で直感的じゃないものが多いため、これぐらいシンプルな方が好印象だ。事実使いやすい。
接続は昨今の接続が良好なBluetoothイヤホン・ヘッドホンのイメージで考えると、あまりよくないと思う。
東京の通勤電車内や、新宿の交差点などの人が多い場所では頻繁に音が切れる。
またズボンのポケットに入れると、やはり音が切れやすくなる。今回はほとんどの場合、ワイシャツの胸ポケットにプレーヤーを入れていたが、それでも多少の途切れを感じるので、少しでも音が切れると許せない方には向かないと思う。
ただapt-xは音切れの多いコーデックなので、コーデックを変えられるプレーヤーならSBC等で繋げばもっと安定した接続状況になるかもしれない。
2、音質評価
高音は硬く分析的。伸びやかでもある。
ポータブルだがウルトラゾーンの専売特許であるS-LOGICが使われており、ゾネホン特有の刺激的な高音が健在だ。
中音域も明瞭だが、この音域に限らずデジタル感のある音作りが好みの分かれるところだろう。
ボーカルは遠くも近くもなく適度な距離感で鳴っている印象だ。
低音は結構強めに出ているが、ボワつく印象はなく、タイトで解像度の高い上質な低音が出ている印象だ。
ちなみにBluetooth接続でも十分評価に値する音が出ているのだが、有線接続でヘッドホンアンプを使用すると、音の性質はそのままに解像度が高まり、音がかなりパワーアップする。
定価の2万円前後のヘッドホンと十分に渡り合える実力があるため、6000円以下で買った場合は、かなりお得感がある。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●OPPO Reno3 A(apt-x接続)
・Snowk/Powder(EDM,エレクトロニカ) 〇
・00110100 01010100/871(エレクトロニカ) 〇
・BURIAL/UNTRUE.(アンビエント,テクノ) 〇
・Icarus/This Must Be the Place - EP(エレクトロニカ) 〇
・Taake/Over Bjoergvin Graater Himmerik(ブラックメタル) 〇
●MacBook Air + AL-38432DRⅡ
・Skream/Chesters Groove EP(テクノ) ○
・Ado/踊(J-POP) ○
・Ado/うっせぇわ(J-POP) ○
●NW-ZX300(apt-x接続)
・THE VELVET UNDERGROUND/white light/white heat(AAC)(ロック) 〇
・TWICE/Eyes wide open(ALAC)(K-POP) ◎
Untrue (Bonus Tracks Version) by Burial on Apple Music
テクノ系の音楽ジャンルだと、量感のある低音がライブ感を持ち、まるでクラブにいるかのように音を鳴らす。高音が人によっては少し刺さる印象なので、刺さりが嫌いな方は要注意だ。
Over Bjoergvin Graater Himmerik by Taake on Apple Music
ノルウェーのブラックメタルの2nd。「Go」はデジタル感の強い音作りが好みの分かれるところだと思うが、ヘヴィメタルに関しては違和感なく適応し、高音の伸びも良い感じだ。ドラムの速いビートもダマにならずに聞こえる。硬質な音作りが、このアルバムに限らず、ヘヴィメタルに適していると思う。
Eyes wide open by TWICE on Apple Music
K-POPのようなデジタル処理のPOPSは非常に得意で、解像度、分離感、共にポテンシャルを発揮し、別のイヤホンやヘッドホンでは聞こえてこなかった音が聞こえてくるかのようだ。
【総評】
定価で買っても十分に価値のあるものだったと思うが、値崩れを起こしてからの金額は破格と言える。
ULTRASONE自体が好みの分かれる音作りのメーカーだと思うので、誰にでもおすすめとはいかないが、6000円以下で購入できた場合には同価格帯のヘッドホンとは比べ物にならない力を発揮するだろう。
ポータブルだが、据え置きとして使っても良いと思う。良質なヘッドホンだった。