付属品がやたらと多い
丈夫そうだけど開けづらいケース
俺が直挿しでもフィット感抜群のイヤーウィングさ!
金色の筐体が美しい
2014年4月発売。今でこそハイブリッドドライバーのイヤホンが安価で買えるようになったが、当時はハイブリッドドライバーのイヤホン自体の選択肢が少なかった。
そういった中でDUNUから2BA + 1DDの構成でDN-2000が3万円程で発売。既に高評価を得ていたDN-1000の上位機種として、期待も高かったのではないかと思われる。
とはいえ当時の販売価格は34560円。今の価値観でも安い金額ではないし、特に当時は数十万のイヤホンが連日販売されるようなバブリーな状況ではなかったため、この価格に顔をしかめた方も多いはずだ。
しかし結果としてはDN-2000は高評価を得て、世間的な名機としての評価が定着。発売から5年以上が経過し生産終了となった今でも愛用者が絶えない事で有名だ。
私自身、以前にフリマサイトで購入してから、今回のレビュー以前でも多用しており、それも踏まえて今回は、この名機と改めて向き合っていこうと思う。
1、音質以外の評価
とにかく付属品が多い。イヤーピース4種類(黒、白、ダブルフランジ、フォームタイプ)に、イヤーウィングが大・小の2種類。耳掛け用のイヤーフック。
更に音質を微調整するリング(ステムに嵌めて使う)。
そして航空機用アダプターから6.3mm変換プラグまで、とにかく豪勢な付属品だ。
黒いイヤーピースは硬くて、高音が重視されボーカルも近め。白いイヤーピースは柔らかく、高音は多少減衰する変わりに低音が出て音場も広く感じる。
ダブルフランジとフォームタイプは今回は試していないが、いずれ試してみようと思う。
元々耳掛けでも使っていたのだが、このイヤホンに関しては直刺しがお薦めだ。
ケーブル自体が形状記憶ではないのでシュア掛けに向いていないし、イヤーフックの装着も煩わしい。
直挿しなら装着も手軽で、イヤーウィングを装着すれば高いフィット感を得られる。
今回は黒、白のイヤーピースを使い分けながら、イヤーウィングの大を使っての直挿しでレビューをしてみた。
2、音質評価
このイヤホンはイヤーピースやDAP(ポタアン)による影響を大きく受けるため、上流によって音の印象が大きく変わる印象だ。
そのため評価しづらい部分もあるし、別の言い方をすればポテンシャルがあるとも言える。
高音は一番、上流の影響を受けるところで、再生機によっては物足りなく感じるが、上流次第ではかなり目立っても聞こえる。
もしもご自身の再生環境で高音があまり出ていないと感じるようであれば、DAPやヘッドホンアンプの追加購入をお薦めする。
イヤーピースでの調整も可能だが、このイヤホン特有の女性ボーカルの生々しい表現や、音場の広さが失われる傾向にあり、サードパーティー製のイヤーピースを私はあまりお薦めしない。
中音域は特徴的でギターの音なんかも心地よいが、やはりボーカルの表現が見事だ。
特に女性ボーカルの声は余韻を残す印象があり、俗にいう「エロい」歌声を堪能する事ができる。
低音はハイブリッド構成のイヤホンとしては出ている方だと思う。派手な音だが、総合的にはウォームな印象を受ける音だ。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●iPhone 8 + AL-38432DRⅡ + Apple Musicによるサブスク音源
・Burial/Untrue(ロスレス配信)(アンビエント,テクノ) 〇
●Astell&Kern A&norma SR25(直挿し)
・THE JAM/IN THE CITY(AAC)(パンク) 〇
・TWICE/Kura Kura(ALAC)(K-POP,女性ボーカル) ◎
●Astell&Kern A&norma SR25(直挿し) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Wolf Alice/Blue Weekend(Ultra HD配信)(ロック,女性ボーカル) ◎
・Antisect/The Rising of the Lights(HD配信)(ハードコアパンク) 〇
・PUP/Morbid Stuff(ポップス,ロック) 〇
・mekakushe/光みたいにすすみたい(Ultra HD配信)(J-POP,女性ボーカル) ◎
・吉田一郎不可解世界/えびせし(HD配信)(ロック) 〇
・DUSTCELL/SUMMIT(HD配信)(J-POP,ボカロ,女性ボーカル) ◎
・町田73/来世に期待(HD配信)(ボカロ) 〇
・Spirit Possession/Spirit Possession(Ultra HD配信)(ブラックメタル) 〇
・ましのみ/ぺっとぼとレセプション(HD配信)(J-POP,女性ボーカル) ◎
●NW-ZX300(直挿し)
・LIP CREAM/9 Shocking Terror(ハードコアパンク) 〇
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
音場も広く、バンドの音に包み込まれるように錯覚する。SR25との相性も良かったように思える。感激。
実は今回のレビュー以前に聴いた時に素晴らしいと思ったのが、この曲の聞かせ方で、できれば出力のあるDAPで高音を減衰させる事なく聴きたい。
今時の電子ミュージックや、ボカロ系とも相性が良いと言える。メリハリの効いた音を聞かせる。
【総評】
男女共にボーカルの表現が優れており、特に女性ボーカルに強い。
ただしクラシックやジャズのような音楽も、量感多めの低音で良い感じで聴かせてくれるため、意外とオールラウンダーな一面もある。
金色の筐体はかっこよくて所有欲も満たされる。リケーブルはできないが、イヤーピース交換や、リングの有無で音が変わってくるため、長く付き合っていけるイヤホンと言えるだろう。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10