シンプルながら高級感のあるパッケージ
新品で購入したのに既にイヤホンケースが傷んでるのが笑えるKENNERTONはLAGUZと同時に3つのイヤホンを発売しており、LAGUZはその中で一番お安いエントリーモデルとなっている。
お安いとは言え、販売当時価格は10000円を越えている。
1、音質以外の評価
まずビックリしたのがイヤホンポーチ。新品購入時から多少の剥がれがあり、やや傷み気味。
きっと倉庫で眠っていた処分品を引き当てたのだろうと思って、あまり深く考えていなかったが、これを鞄に入れていると、どんどん剥がれていく。
色々と低品質のイヤホンポーチは見てきたが、ここまで軟弱で、尚且つ剥がれてゴミが出るという最低レベルのイヤホンポーチは初めてで笑ってしまう。
eイヤホンのレビュー投稿にも剥がれる旨が書かれていたため、仕様なのだろうが、よくこれでOKが出たものだ。
イヤーピースは典型的なシリコンタイプのものがS、M、Lの3サイズ。
あとはコンプライ系のフォームタイプと、ダブルフランジが1サイズずつ付属する。
シリコンタイプの物が一番バランスが良く、LAGUZの本領を発揮できると思う。
フォームタイプは装着感は安定するが、高音が減衰。また購入時点で既に経年劣化していたのか、ステムに嵌めこむチューブ部分に亀裂が入り、イヤホン本体から抜けやすくなったので、実質使用不可能となってしまった。
ダブルフランジはボーカルが前に出るが、低音の解像度・量感が減り、全体のバランスが悪くなってしまった。
女性ボーカルのボーカルだけを聞きたいような人がいたら悪くない選択肢だが、そもそもボーカル重視の方が選ぶイヤホンでは無いような気がする。
ちなみにfinal Eタイプや、スパイラルドット、Symbio Eartipsにも試しに付け替えてみた。
Eタイプは低音の解像度も上がり装着感も良くなる。またアタック感も心地よく、現代的でデジタルなロックやポップスを聞くなら、こちらの方が良いかもしれない。
スパイラルドットは楽器の描写力があり、LAGUZの元々の音質とも合っている気がする。純粋なパワーアップという点ではスパイラルドットが適切な気がする。
Symbio Eartipsは低音に加えて高音もしゅちょうしてきて、パキパキで現代的な音になった。また楽器の音の描写も丁寧だ。ただ少し聞き疲れするような音になってしまった。
サードパーティー製のイヤーピースでは解像度が上がるものの、LAGUZが持っている音場の広さや、解像度が低いが故のアナログライクなサウンドの魅力を損なってしまうような気がして、結局は純正のシリコンイヤーピースのMに戻した。
また純正のシリコンイヤーピースだとまるでレコードプレーヤーとスピーカーで聴いているような独特の音場があり、魅力的だ。
イヤホンケーブルは分岐部分がクリップ状になっているが、硬すぎてシャツに挟めるほど開かない(笑)。
こういった製品としての詰めの甘さが各所にも散見するのは残念だ。一般的には1万円もするイヤホンは「高い部類」に入ると思うので、最低限の配慮はしてほしいと思った。
またシュア掛けできない事もないが、直挿しを推奨している形式。
そのため、クリップを使用しないとハウジングの重さでフィット感が多少不安定だ。私はZERO AUDIOのヘッドホンクリップでケーブルを留める事で装着感をアップした。
2、音質評価
以下は純正のシリコンイヤーピースの場合での評価だ。
まず高音は出ていないわけではないものの、存在感が薄い。他の音の陰に隠れてしまっているような気がする。高音の主張が欲しい方は、このイヤホンをお薦めしない。
中音域はギターやベースの音を丁寧に描写する。楽器の音の繊細な表現は、まるでBAのイヤホンを聞いているかのように錯覚する。
低音は魅力的な部分でベースの音なんかはかなり深くから出ている。特別に良い。
リズム隊が前に出てくる独特のバランスで、オールドロックとの相性が特別に良い。