【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ウォーム
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】広い
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】6980円
【筆者が購入した値段】中古で2480円
米CREATIVE社のTWSで通販限定販売のシリーズ。
初代がリーズナブルな価格で、少しだけネット上で話題になっていたが、私の知らない間にシリーズは第三弾まで登場してしまっていた。
今回は運良く安価で手に入ったのでレビューしてみようと思う。
1、音質以外の評価
ケースはデザイン性があり、かっこいいが、使い勝手はいまいち。
まず引き出し式のケースのため、片手で開けるのが困難。
マグネットで多少イヤホンが取り出しづらく、耳に取り付ける向きと逆向きでケースにハマっているため、イヤホンを取り出した後に自分の手で逆向きにしなくてはいけないのも厄介だ。
TWSは外で気軽に使える事がメリットになると思うので、取り出しから装着までが容易ではないのはマイナスだ。
イヤーピースは装着感が良く、特別交換の必要性も感じなかった。耳に優しい装着感だが遮音性もあり、音もクリアーに出ている印象だ。
装着感も比較的良好。L側のタッチパネルを2回トントンと押す事で、ノーマルモード→アンビエントモード→ANCモードと切り替えが可能。
ANCモードは圧迫感の無い、自然なノイズキャンセリングだが、しっかりと効能は感じる。安価なTWSの中では最も強いぐらいの効果を得られる印象だ。
タッチパネルは操作通りに押しても反応が悪かったり、誤作動を起こしやすい。
外部アプリでタッチパネルの操作に割り振る内容を変更する事ができるため、使いやすいようにカスタマイズは出来るのだが、タッチパネルの反応に関してはSOUNDPEATS等の他社のTWSに比べると反応が悪い事は否めない。もう少し精度が上がれば良いと思った。
通信は人の多い都心の交差点などの特殊な状況下でなければ途切れはほとんど見られず、何の問題もない通信品質と感じた。
2、音質評価
これが凄い。約7000円のTWSから得られる音質とは思えない程の高音質だ。
高音はしっかりと主張しているが刺さりとは無縁。絶妙なチューニングで、あまり誇張されない程度に伸びるようになっている。
中音は低音や高音に比べると少し埋もれている、もしくは特別に誇張されない立ち位置という印象だ。
ボーカルメインで聞きたい方は他のイヤホンの選択肢があるかもしれないが、ボーカル物に不向きというわけではない。
低音は優しく量感があるが、ボワついているという印象はない。解像度が高く、結構深くまで出ている。
ジャズやクラシックとは抜群の相性の良さを感じる。
あまりタイトとは思えない低音なのだが、現代的な打ち込みポップスや、ボカロのようなスピード感のある電子音楽を再生しても違和感なく再現する。
全体的に音の余韻が心地よく、ジャンル問わず万能に対応できるがアコースティックな音源には特別な相性の良さを感じる。
細かい音を感じ取りたい方にはお薦めだ。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
・ジョシュア・レッドマン, ブラッド・メルドー, クリスチャン・マクブライド & ブライアン・ブレイド/RoundAgain(ジャズ) ◎
・LUCKY TAPES/Blend(J-POP) 〇
・LEA/Treppenhaus(ドイツPOPS) 〇
・Gulch/Impenetrable Cerebral Fortress(デスメタル) 〇
・Quickly Quickly/The Long and Short of It(ロック,プログレ) ◎
・ヴィキングル・オラフソン/Mozart & Contemporaries(クラシック) ◎
・パソコン音楽クラブ/Night Flow(J-POP) ◎
・ジョー・チェンバース/Samba de Maracatu(ジャズ) ◎
・Anna Phoebe/Sea Souls(クラシック) ◎
・Matt Berninger/Serpentine Prison(ロック) 〇
・Noothgrush & Corrupted/Noothgrush / Corrupted Split(ドゥームメタル) 〇
●NW-ZX300(SBC接続)
・藤原さくら/SUPERMARKET(J-POP,女性ボーカル) 〇
●Fiio M9(AAC接続)
・DAOKO/Anima(J-POP,女性ボーカル) 〇
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
ジャンルの形容がし難いロックなのだが、音の余韻が気持ちいい。
このような落ち着いた感じのロックも得意としている。
ジャズとの相性は抜群だ。
【総評】
ジャズ、クラシック、アコースティックメインで聞く方には是非ともお薦めしたいのだが、それ以外のジャンルも全体的に良い音で聞かせる。
意外にもGulchやCorruptedのようなアンダーグラウンドなメタルバンドも、量感多めの低音で楽しく聞かせてくれて満足した。
久しぶりに音が良いイヤホンだと思った。TWSで、この音場の広さや、音に包み込まれるような感覚は貴重だと思う。
通販限定であまり宣伝も行われていないのが惜しく感じる。新世代の名機である。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】