【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★
【傾向】フラット
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】広い
【フィット感】少し悪い
【取り回し】良い
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】12672円
【筆者が購入した値段】中古で5980円
★良い点★
・自分から音が広がっていくような個性的な音作りが凄い!
・ジャズやクラシックを聴くとコンサートホールで聞いてるみたいな臨場感で凄い!
・女性ボーカルの表現が丁寧で凄い!
・2.5mmのバランスケーブルが元から付属するのでバランス接続が容易に楽しめる!
・付属の革ケースが栃木レザーでかっこいい!
★悪い点★
・低音の量感が極端に少ないのでジャンルを選ぶ。
・ハウジングが結構重めで装着に苦労する可能性がある。
・付属のイヤーピースだと遮音性が低い。
・ただしイヤーピースを変えると独特の音場が失われやすく、イヤーピース選びが難航する。
・ケーブルが途中分岐型の特殊な物で、他社製ケーブルへのリケーブルはほとんど不可能。
国産メーカーAr:tioの最初のイヤホンが、このCU1だ。
なんでも「a.i.m(Absorbing Ideal Mechanism)」という特殊な技術が使われているらしく…
「a.i.m(Absorbing Ideal Mechanism)は、防音室やオーディオルームのチューニングなどにも用いられる有孔ボードと同じく、ヘルムホルツ共鳴の仕組みを応用した技術。任意の周波数の音をピンポイントに近い形で吸収する音響構造だ。」
…ということらしい。
確かに形状から音まで個性的なイヤホンだ。
1、音質以外の評価
結構ハウジングが重くて、通常通りに耳に入れると耳から抜けそうな感覚がある。
私はZERO AUDIOのHEADPHONE CLIPを使ってケーブルを胸元に固定して、耳に直挿しして使ったら、かなり安定してフィットするようになった。
付属のイヤーピースとしてSpinfit CP100が採用されており遮音性に欠けるが装着感は良く、長時間の使用でもストレスを感じない。
また、Spinfitはイヤホンの音作りにも合っていると思われる。遮音性が気にならなければ付属品から変更する必要はないと思う。
また栃木レザーのイヤホンケースが付属しており、かっこいい。
2、音質評価
音の出方が特徴的で、一般的なイヤホンは本体から耳の中に音が流れてくるイメージなのに対し、CU1は自分から外側に音が広がっていくような感覚がある。
他に似たようなイヤホンは思い付かず、すごい技術だと感じた。
・高音
一番このイヤホンの得意とするところだが、音源によっては刺さるような印象がある。
・中音
適度に出ており、ボーカルの表現は丁寧だ。
・低音
ほとんど存在感を感じさせず、遮音性の低さがそれに拍車をかけている。
全体的に解像度が高い音でもなければ、分離が良いわけでもないが、空間表現は優秀だ。
特に女性ボーカルを聞いた時はボーカルだけ浮かび上がるような印象を受けて感動する。
またジャズやクラシックはホールで聴いてるような臨場感があり、このイヤホンの本領を発揮する。
3.5 mmケーブルと2.5mmケーブルはケーブルの分岐部分で容易に着脱できるようになっており、他社製のケーブルを使うのは難しいだろうが、使い勝手は良好だ。
MMCXや2pinに比べて手軽にケーブルを付け替えられるのもメリットだ。
やはり音が綺麗に分離する2.5mmのが好ましく感じた。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●OPPO Reno3a + xDuoo XD-01 + Amazon Music HDによるサブスク音源(3.5mmケーブル使用)
・ソニー・クラーク /Cool Struttin'(ジャズ) ◎
●NW-ZX300 + 2.5mmケーブル使用 + Cayin PH-4X(2.5mm→4.4mm変換アダプタ) + 4.4mmによるバランス接続
・majiko/世界一幸せなひとりぼっち(J-POP,女性ボーカル) ◎
・TWICE/Eyes wide open(K-POP,女性ボーカル) ◎
●Astell&Kern A&norma SR25(2.5mm 直挿し) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Jeremy Denk & セント・ポール室内管弦楽団/Mozart Piano Concertos(クラシック,ピアノ) 〇
・Lea Desandre, Thomas Dunford & Jupiter/Amazone(クラシック) ◎
・2Cellos/Dedicated(クラシック,チェロ) 〇
・ヨーヨー・マ/Notes for the Future(クラシック,チェロ) 〇
・佐藤千亜妃/PLANET(J-POP,女性ボーカル) 〇
・Claire Désert/Schumann: Études symphoniques, Op. 13 - Études sur un thème de Beethoven, WoO 31 & Geistervariationen, WoO 24(クラシック) 〇
・ネヴァーマインド/Carl Philipp Emanuel Bach(クラシック) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
女性ボーカルものとの相性はかなり良くて、ボーカルが浮かび上がるような印象を受ける。
ジャズも空間表現が良く、ライブハウスで聞いているように錯覚する。
【総評】
一般的なポップスやロックだと音源ごとの相性があるため、正直、苦手とする音源も多くあると思った。
また解像度や分離が優れているわけではないため、人によっては価格相応の音と感じてコスパの良さを見いだせないかもしれない。
ただジャズやクラシックにおける空間表現能力は卓越しており、特にクラシックの弦楽器なんかの表現は「おおーっ!」と感動する部分がある。
他にはないような音の広がりを見せるイヤホンなので、個性派の1本としてサブ機にもお薦めだ。
【点数】 ★★★★★★★ 7/10