【高音】★★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】良い
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】3960円
★良い点★
・ボーカルが綺麗に聞こえる。
・低価格帯のイヤホンだが高域が鮮明でピアノの音なども綺麗に聞こえる
★悪い点★
・低域の沈み込みが浅め。また低域の量感も少な目。
・音が硬めなのが好みが分かれそうだ。
こちらは国産メーカーJVCによるエントリークラスのイヤホンだ。
実は5000円以下の完全ワイヤレス市場はほとんど中華イヤホンが占めており、国内メーカーからこの価格帯のイヤホンはほとんど発売されていない。
大手のJVCがこの価格帯に挑戦してきた事は、実はすごい事なのである。
見た目はエントリーらしくカラーバリエーション豊富で、特別な高級感こそないものの、安っぽくもないものに仕上がっている。
今回はこちらのイヤホンをレビューしていこう。
1、音質以外の評価
ある程度の厚さはあるもののケースは比較的小さめで、一般的な大きさのポケットに放り込めるぐらいの厚みで持ち運びしやすい。
問題があると感じたのは、まずマグネットの磁力が結構強めでケースから取り出しづらい。
また丸い形状は掴みづらく、慣れていない人は落としやすいのではないかと感じた。
またパッと見、タッチパネルように見えるのだが、実はかなり硬めの物理ボタンが使われている。
例えば片側を2回連続で押す事で音量調節ができるのだが、この硬めのボタンを耳に入れたまま2回連続で押す事は現実的に難しい。
そもそも耳から外していても押しづらいと感じるので、実質音量調整はスマホ側で行っている。
これに関しては改善してもらいたい。
付属のイヤーピースは圧迫感がなく、装着感もまずまず良い。
自分自身の耳のサイズと上手く合えば、ほとんど違和感がなく、付けているのかいないのかわからないぐらいの快適な装着感を得られる。
2、音質評価
先に言っておくが、5000円以下のエントリークラスのイヤホンとしてかなりレベルが高い音質だ。
高域は細かい部分での伸びを重視されると厳しいが、硬めで、非常に綺麗に鳴る。
女性ボーカルやピアノの音などは特に綺麗に再現されており、1DDとは思えない繊細さだ。
また昨今の打ち込み系のポップスとも相性が良さそうだ。
中音域も明瞭。ボーカルは鮮明だが、変に前に出るような違和感もない。申し分ない解像度で、スッキリと聞こえる。
低域は量感が少ないため、重低音が好きな方には不満が残るかもしれないが、タイトでレスポンスが良い。
量感こそないもののスピード感のあるハードロックなんかは、変に低音がボワつくイヤホンより得意なのではないかと感じた。
またエントリークラスのイヤホンはどこかの帯域を強調する事が多いが、このイヤホンは比較的フラットだ。
それにも関わらず「音が良い」と感じられる事に素直に驚いた。
ハッキリ言って数年前のTWSでは1万円以上のものでも勝ち目がないし、昨今発売された5000円以上のTWSと比較しても、このHA-A5Tに音質やチューニングバランスで劣るものが大半ではないかと感じた。
それぐらい私はこのイヤホンを評価している。
3、比較
近い価格帯だとSOUNDPEATS miniは低音の量感がHA-A5Tに比べて多いが、解像度の面では不安が残り、これから購入するならばHA-A5Tのがダントツで良いと感じた。
SOUNDPEATS SONICは打ち込み系に特化した硬めの音で、音は明瞭だが好みが分かれそうな音だ。HA-A5Tも硬めの音だが、SONICに比べると柔らかい印象すらある。好みによるので、どちらが優れているとは言いづらい。
ag TWS03RはHA-A5Tに比べると低音の量感がありウォームな印象だ。HA-A5Tの音が硬すぎる、低音が少なすぎると感じる場合はag TWS03Rを検討しても良いかもしれない。
低価格、高音質は中華イヤホンの専売特許だと思われていたのが、ここにきて国産メーカーの低価格帯から、素晴らしい音質のTWSが誕生した事に敬意を払いたい。
素晴らしい快挙だと思うし、JVCはHA-A5Tに対して、もっと音質を重視した事を伝えるようなコマーシャルを打つべきだと感じてしまった。
【総評】
5000円以下でTWSを探していて、尚且つドンシャリよりフラットのが好みの方がいたら、一番に推薦したいイヤホン。
現代のTWSの進化の速さには常々驚かされるばかりだ。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●OPPO Reno3a(apt-x接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・かいりきベア/ダーリンシンドローム(2021年ボカロP) ◎
・ポップしなないで/美しく生きていたいだけ ◎
・CVLTE/HEDONIST - EP ◎
・4s4ki/Here or Heaven - EP ◎
・Aroma Pitch/Interlife(ハウス) 〇
・Fates Warning/No Exit(25th Anniversary Edition)(ハードロック) 〇
・THE 1975/Notes On A Conditional Form(ロック) 〇
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △