【高音】★★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】近い
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1BA
【発売当時の値段】32000円前後
★良い店★
・ボーカルやピアノの音が綺麗に聞こえる
・比較的フラットな音質で万能
★悪い点★
・低音の量感が少なめ。
・イヤーピースのフィット感がシビアで、フィット感次第で音質に差が出る。
こちらは2005年に発売したSHUREの高級イヤホンだ。
まだSE215等の有名機器が発売される前の話だ。
現行のAONICシリーズの原型になったとも言われるEシリーズである。
当時としては珍しかったBAドライバを搭載し、30000円越えの価格も一般ユーザーの度肝を抜いた。
今回はこちらの品を中古で安く入手できたのでレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
ケーブルは約1.6mとの事で、昨今の平均的なイヤホンケーブルに比べると少しだけ長く感じるが、特別に困る事はない。
比較的取り回しも良いと感じた。
イヤーパッドは本来であれば4種類付いてくるのだが、中古だったためフォーム・イヤパッドは付属しなかった。
フレックス・イヤパッドは悪くはないが装着感が満点ではない。ソフト・フレックス・イヤパッドはMだと大きすぎてSだと小さすぎるため、使うのを止めてしまった。
トリプル・フランジは上手く耳の奥まで挿入できれば抜群の音質と遮音性を誇るが、良い位置を探すのに時間がかかった。
結局は社外品だが、finalのEタイプに口径を狭めるアダプターを入れて使ったら、一番装着感が良かった。
2、音質評価
高域は高級イヤホンらしく煌びやかで、よく伸びる。女性ボーカルも素晴らしいがピアノの音などは現行の高価格帯のイヤホンと比べても感動レベルで、滑らかな音に息を飲む。
ボーカル物以外にも、ピアノジャズ等にも合うと思った。
中音域も明瞭で、2005年当時にボーカル周りがこれだけ清潔に聞こえるイヤホンも多くなかったのではないかと推測する。
低域はイヤーピースやフィット感によって評価が左右される部分になりそうだ。
最初にフレックス・イヤーパッドが上手くハメこめずにいた時には、中・高域しか聞こえずシャカシャカとした音で、低音は一切聞こえないように感じた。
しかしトリプルフランジを奥まで装着した場合や、finalのEタイプでフィット感を高めた際にはタイトながら必要十分な低音を確保できた。
決して沈み込みは深くないが、ロックやヘヴィメタル等の音楽を聴くのにも十分な量が確保されていると感じた。
このイヤホンは説明書を見る限り、直挿し、シュア掛け、背中側から回すシュア掛けが推奨されている。
直挿しだとハウジングの重さ故に耳から抜けそうになる上に装着感が悪くなるので、個人的なおすすめはシュア掛けだ。
またイヤーピースのフィット感次第で音の良し悪しがかなり変わってくるので、自分の耳型にあったイヤーピース選び、また装着の方法(奥に入れる、耳に入れてから少し捻じる)等を他のイヤホン以上に真剣に行う必要があると感じた。
上手くフィットした時の音に関しては現代の高級イヤホンとも十分に太刀打ちできる音だと感じたし、比較的ジャンルを問わない万能な音だと感じた。
ただ低音の量感は控えめなので、低音重視で音楽を聞きたい人が選ぶ1本ではなく、どちらかと言えばボーカルもの、ジャズ、クラシックメインで聞かれる方にお薦めしたい。
【総評】
このイヤホンが発売した2005年当時は、低音の量感や迫力で勝負するイヤホンが多かったように感じるし、近い価格帯の10proやWestone3等も、比較的低音重視のイヤホンという印象だった。
その中でボーカルを際立たせ、スッキリとしたフラットな傾向のイヤホンは希少だったのではないかと感じた。
このイヤホンからイヤホン沼に陥ってしまった人がいるというのも、納得のいく話ではあった。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【名機認定!!!】
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●iPhone 8(Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・高橋麻里佳/ひとつ(アニソン,女性ボーカル) ○
●Calyx M(3.5mm 直刺し)
・Official髭男dism/Editorial(J-POP,ロック) ○
・緑黄色社会/Actor(J-POP,女性ボーカル) ◎
●Huawei P30 lite + MH Audio HA-1(ALO audio Cryo SXC 18G mini to miniによるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Nils Frahm/Empty(クラシック) ○
●Huawei P30 lite + iBasso DC03 + Amazon Music HDによるサブスク音源
・チャールス・ロイド&ザ・マーヴェルズ/Tone Poem(ジャズ) ○
●OPPO Reno3a + iBasso DC03 + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Blut aus Nord/Ultima Thulée(ブラックメタル) ○
・猿春火/心眼(J-POP,女性ボーカル) ○
●OPPO Reno3a + Fiio Q5s(LDAC接続) + AM3D(3.5mm) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Fuvk/Imaginary Deadlines(ポップス,女性ボーカル) 〇
・CRCK/LCKS/Double Rift(ジャズ,女性ボーカル) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △