【高音】★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ドンシャリ
【発売当時の値段】11000円前後
★良い点★
・小型だが豊富な入力端子
・完全ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンの圧倒的な音質向上
・LDACなど豊富なコーデックへの対応
★悪い点★
・ペアリングが面倒臭い
・USB入力時はLDAC入力に対応しない
2020年発売。これが出た当時は10000円前後で、入出力が比較的豊富なBluetoothレシーバーが少なく、新しい印象を与えてくれた。
今は後継機のBTA30 Proがリリースされているが、今回はこちらの初代をレビューしてみようと思う。
チップはQualcomm CSR8675 Bluetoothチップ搭載 | AK4490 DACを搭載との事だ。
売りとなるLDAC接続だが、USB接続でオーディオ出力をするとLDACは使えず、LDACを使うにはコアキシャル、光デジタルで入力する必要があるとの事。
これが結構面倒で、おかげで…
・テレビ + ONKYO DAC-1000(OPT接続) + BTA30
・DVDプレーヤー + ONKYO DAC-!000(COAX接続) + BTA30(OPT接続)
・MacBook Air + ONKYO DAC-!000(USB接続) + BTA30(OPT接続)
…と言った組み合わせでDACを挟んで使う事になった。勿論、間に挟むDACは何でも良い。
先に結果から伝えると、この機器は使いづらい部分が多々あるが、性能には満足しており、他に代替品も思いつかないため、唯一無二の商品とも言えるだろう。
少なくとも私にとっては、オーディオ機器の中でも1、2を争うコスパの良い機器となった。
主に完全ワイヤレスヘッドホンでの接続を試しており、下記のヘッドホンを使用した。
・SONY/WH-1000XM3(LDAC接続)
・Skullcandy/Crusher360(以下apt-x接続)
・Foal/Listen Wireless
・MASTER&DYNAMIC/MH60
・Koss/Porta Pro Wireless
結果から言うと全てのヘッドホンで、Android端末や、MacBook Airと直接ペアリングした時に比べて、圧倒的な音質の向上が感じられた。
イメージとしては、有線のヘッドホンをヘッドホンアンプに通したような印象だ。Bluetoothヘッドホンの隠れたポテンシャルを発揮できた気がする。
特にLDAC接続のSONY WH-1000XM3にはプラシーボもあるだろうが、圧倒的な音質向上を実感できた。
比較的低域の量感があり、人によってはボワつくと感じることもありそうな音作りの機種だが、BTA30を通すと低域はタイトに締まりのある音になり、その上で中音域も明瞭でボーカルがしっかりと聞き取れた。
主な使用用途としては、WH-1000XM3でアニメ鑑賞、Crusher360で映画鑑賞、他のヘッドホンは家事などをしながら、適当に付け替えている。
特にCrusher360は音に合わせて振動するギミックのあるヘッドホンなのだが、低域の深さや音場が向上した印象で、映画をど迫力で見られる。
スピーカーを置く様なスペースの無い方や、ホームオーディオに投資するお金のない方にもおすすめだ。
また専用アプリの操作でランプの点灯を消すことができるため、私は夜に電気を消して映画を見たりするのだが、そのような場合でも気が散らずに済んだ。
通信距離もかなりアップしており、設置場所から結構離れたところにあるキッチンやトイレ、玄関に行っても途切れなかった。
ただしBTA30自体を比較的高いところに置いて、アンテナも上向きに立てないと、通信距離が短くなってしまうので要注意だ。
RCA出力も試しに使ってみて、アクティブスピーカーのEdifier S880DBに繋げてみた。
こちらに関しては繋げないよりは音が良くなるが、2万以上の単体のDACなどを持っていれば特別に使う必要のない、オマケ程度の音質に感じた。
音の傾向はBluetooth接続時もRCA接続時も、派手なドンシャリ系の音と感じられ、昨今のポップスや打ち込み系の音楽などに合っていると感じた。
音質の好みはあるだろうが、Bluetoothヘッドホンの音質を明確に上がれられる数少ない機材で、尚且つ豊富な入力端子を搭載しているということで、個人的には購入時からずっとお世話になっている機器だ。
【点数】 ★★★★★★★★★★ 10/10
【名機認定!!!】