【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】広い
【装着感】普通
【発売当時の値段】36168円ぐらい
★良い点★
・非常に伸びやかな高音
・繊細で丁寧な音の表現
★悪い点★
・低音が、やや少なめ
こちらは元々AKGの名機として評価を得ていたK701をベースに、クインシージョーンズとのコラボモデルとして発売されたものだ。
「Q」のマークが印象的な他、ケーブルが着脱式に変更になりリケーブルも可能になった。
またカラーバリエーションに緑も用意されており、奇抜なカラーリングでも注目を集めた。
今回はこちらのヘッドホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
AKGお得意のセルフアジャストシステムにより装着感は良い。イヤーパッドもフカフカで心地よい。
惜しむらくは批判の対象となる頭頂部の「コブ」。確かにこれにより頭が痛くなる事があり、難点ではある。
ケーブルは3mと6mのものがそれぞれ付属するので、自宅の環境に合わせて使いやすい方を選べる。
ケーブル自体は扱いやすいもので良質だ。
2、音質評価
高域はどこまでも伸びるかのようで、天井を感じさせない、素晴らしい表現となっている。
女性ボーカルから管楽器まで、丁寧な表現だと感じた。
中音域も明瞭。ボーカルは前に出てくるような印象で聞き取りやすい。
低域は他の帯域に比べると量感少なめだが、AKGのヘッドホンの中では比較的、量が多く思われる。
私はK701を聞いた事がないので比較できないが、K701よりも低音が出るようになったという声が各レビューサイトでは多い。
パワーのあるヘッドホンアンプで再生すると低音の量感を実感できる。
ややウォームよりの低音なので、昨今の打ち込み系のポップスなどよりは、ジャズやクラシックに向く印象の音だ。
得意ジャンルを挙げれば女性ボーカルのポップス、ジャズ、クラシック、などになるだろう。
録音状態の悪い楽曲や、ロックやEDMなどの低音をメインに聴かせるような音楽、打ち込み系は、そこまで得意ではないと感じた。
ただ、どのジャンルを再生しても価格帯以上の音を鳴らし、ニターライクではなく、音楽を楽しく聴かせてくれる味付けがあるヘッドホンだと思った。
【総評】
ヘッドホンアンプを持っている事が前提にはなってくるが、ポップスやジャズ、クラシックを聴くに当たっては最適解となるヘッドホンだと感じた。
勿論、価格帯が上の物を聴けば、もっと解像度が高かったりと色々と利点があるが、そういったマニアックな世界に足を踏み込む必要がなければ、Q701はヘッドホンの1つのゴールと言えるだろう。
ただ、あまりにも優等生的なサウンドなので、たまに刺激が欲しくなってしまうのも事実だ。
そういう時はベイヤーのヘッドホンを使って気持ちを満たすようにしている(笑)。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●MacBook Air + Fostex HP-A3(Audioquest DragonTail + 純正付属USBケーブルによる接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・オカモトコウキ/時のぬけがら(J-POP) ○
・メロディ・ガルドー & フィリップ・バーデン・パウエル/Entre eux deux(ジャズ) ○
・Joey Alexander/Origin(ジャズ) ○
●MacBook Air + Fostex HP-A4(Audioquest DragonTail + 純正付属USBケーブルによる接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・OH MY GIRL/Real Love(K-POP) ◎
・おいしくるメロンパン/cubism - EP((J-POP,ロック) ○
・Sasha Sloan/I Blame The World(ポップス) ◎
●MacBook Air + ONKYO DAC-1000(Grandio USB-2.0 C-B type 2.0mによるUSB接続) + Velve X SE(TUNG-SOL 12AU7 6189に真空管交換済み)(ACROSS750 RR V2によるRCA接続) + Amzon Music HDによるサブスク音源
・優河/言葉のない夜に(J-POP,女性ボーカル) ◎
・マリ・サムエルセン, Meredi, スコーリング・ベルリン & ジョナサン・ストックハンマー/LYS(クラシック) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △