【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】広い
【装着感】良い
【発売当時の値段】21800円
★良い点★
・聞き疲れしない音作り
★悪い点★
・淡々と鳴らすため、迫力やノリは良くない
こちらは32Ωで、比較的鳴らしやすいベイヤーのヘッドホンだ。
「PRO」の名前もつかない事から、おそらくリスニング向けのモデルと思われる。
今回はこちらのヘッドホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
装着感は上々。長く使っても疲れるような印象はなかった。ケーブルも取り回しが良い。
2、音質評価
高域は解像度高めだが、刺さるような印象はない。
中音域も明瞭。男女ともにボーカルはリズム隊と同じ位置で鳴る印象だが、女性ボーカルのが伸びやかで垢抜けた表現だと感じた。
低域は量感があり全体の中でも目立った帯域だが、柔らかい音で聞き疲れしない。
セミオープン型だが、そこまで開放的な音ではない。かと言ってこもっているという印象でもない。
DT770 PROに比べるとかなりフラットな印象。DT990 PROのような抜けの良さはない。
刺激的な帯域がなく、全体的に優し目の音でフラットに鳴らす。
EDMやヒップホップなどの音楽もフラットに鳴らすという意味では悪くない。
リスニングライクなノリを求めるなら違うと思うが、いわゆる激し目の音楽を聴いても聞き疲れが無いため、好ましいと感じる人もいそうだ。
ロックやメタルなどの音楽も淡々と鳴らす。モニターライクというほど分析的ではないが、味気ないと捉える人もいるかもしれない。
得意ジャンルはクラシックや女性ボーカル。全体的に明るい音ではないが、明るい音楽に合わないわけではない。
低音の質感や暗さは、ベイヤーらしい音だ。
【総評】
非常に完成度の高いヘッドホン。
あらゆる音源を、そつなく鳴らすため味気ないと感じる人もいるかもしれないが、メインとしてもサブとしても1本持っておいて悪くないヘッドホンだと感じた。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【名機認定!!!】
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●MacBook Air + Fostex HP-A4(Audioquest DragonTail + SHIELDIO UA3によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Foi/Her(J-POP,女性ボーカル) ◎
・楊雪霏, ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 & Clark Rundell/Magna Carta: The Complete Works for Guitar by John Brunning(クラシック) ◎
・楠木 ともり/遣らずの雨(アニソン,女性ボーカル) ◎
・マルシィ/Memory(ロック) ○
●MacBook Air + Fostex HP-A4(Audioquest DragonTail + Audioquest CINNAMONによるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・ジェラルド・クレイトン/Bells On Sand(ジャズ) ○
●MacBook Air + Fostex HP-A3(Audioquest DragonTail + 純SAEC SUS-380 (A-Bタイプ/0.7m)によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Black Rave Culture/Black Rave Cluture(エレクトロニカ) ○
●MacBook Air + ONKYO DAC-1000 + ONKYO DAC-1000(FURUTECH GT2によるUSB接続) + Velve X SE(TUNG-SOL 12AU7 6189に真空管交換済み)(ACROSS750 RR V2によるRCA接続)
・re:plus/cure(ジャズ) ○
・GWAR/The New Dark Ages(メタル) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
★おまけ★
※管理人の好きな単体の曲でジャンル別の感想を記載
★女性ボーカル
・Aimer/残響散歌
ボーカルの表現は素晴らしい。もう少し音場広めだと嬉しいが、ピアノの音も綺麗に再現されている。
★男性ボーカル
・Official髭男dism/Cry Baby
低音がかなり強調されて聞こえるが、他のヘッドホンとの差別化になっていると思う。上質な低音で心地よい。その上で、中高音域が低音に埋もれず、全体的な解像度も高く感じた。
・BTS/Dynamite
こういう落ち着いたグルーヴ感のある曲にも合っている感じがする。強調された低音が心地よい。
・Twice/I CAN'T STOP ME
やはり女性ボーカルの伸びが良い感じ。反面、ビートのアタック感が皆無なので、これを聞き疲れしないとポジティヴに捉えるか、迫力がないとネガティヴに捉えるかによって好みが分かれそうだ。
・舐達麻/GOOD DAY
アタック感はないが、落ち着いた感じで聞けて、これはこれで良いと感じた。
・BAD HOP/Kawasaki Drift
低音の質が良いせいか、アタック感はないけれど悪くない。個人的にこのヘッドホンで聞くヒップホップは最適解ではないが、嫌いではない。
★テクノ
・Surgeon/First
そもそもが明るめの曲調じゃない分、ベイヤーの暗い低音と相まって意外と悪くない。人によっては高音が少し刺激的に感じるかもしれない。
★打ち込みポップス
キーボードの音が滑らかで心地よい。
・DAOKO/SHIBUYAK
低音の量感が多めなのが嬉しい。攻撃的な音作りではないが、グルーヴ感が出ていると感じた。
32Ωと低インピーダンスが売りの製品だったため、敢えてMacbookAirのヘッドホン端子に直挿しで聞いてみたが、物足りなさは感じず、実際スマートフォンでも容易に音量が取れた。