【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】普通
【装着感】良い
【発売当時の値段】33000円
★良い点★
・解像度が高く伸びやかな高域
★悪い点★
・アンプなどがないと鳴らしづらい印象
・再生環境が悪いと低域に存在感を感じづらい
こちらは2001年にオーディオテクニカの創立40周年を記念して発売された限定モデル。
2000台限定で、尚且つ即完売したため、現在では中古市場でも入手困難な品だ。
また当時はART monitorヘッドフォンシリーズの最上位機種だった(現状は更に上位の機種が存在する)。
同社の「Wシリーズ」の最上位機種「ATH-W2002」(10万円)と同じドライバユニットを使用した密閉式のヘッドフォンで、インピーダンスは38Ω。ハウジングはブルーチタンと呼ばれるものだ。
今回はこちらの品をレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
割と重めの品なのだが、「「頭頂部を圧迫せず、長時間リスニングが楽しめる」という独自の「ニューウィングサポート」を採用。」しているせいか、かなり装着感が良好だ。
側圧は多少強めだが、イヤーパッドのおかげか窮屈さはあまり感じない。
コードは布巻きで絡まりづらく取り回しが良い。ただ3mのコードでリケーブル不可なので、外に持ち出して使うのは不向きだろう。
奇抜なデザインだが高級感があるし、周年記念モデルなので、これぐらい派手なもので個人的には良いと思っている。
2、音質評価
高域はオーテクらしく非常に明瞭。個人的には刺さらない程度と感じたが、刺さりに敏感な方や、金物がうるさいのが苦手な方は好みが分かれそうだ。ピアノの表現も滑らかで好ましい。
中音域も明瞭。特に女性ボーカルの伸びは良い印象だ。
低域は再生機器にもよるが、良い機器で再生するとタイトで適量と感じる。
反面、出力の弱いスマートフォンやパソコンのヘッドホン端子だと、ボワついたり、量感が少ない印象を受けた。実際のインピーダンス以上に鳴らしづらいヘッドホンと感じた。
MacBook Airのヘッドホン端子に直接挿した時は、3万円のヘッドホンにしては全体的にボワつく印象があり、特に低域の質の悪さが際立った。
ただしUSB接続でHP-A4に繋いだところ、驚くような高い解像度を誇り、低域もタイトで上質なものだと感じた。
そのためヘッドホンアンプや再生機器で化ける可能性が高い。
またチタンハウジングらしい金属質な音で、全体的に硬くてソリッドな印象だ。
ただ低域の量感が少ない割には、音がギッシリと詰まった濃密な印象もある。
特に向いているジャンルは女性ボーカル、クラシック、ジャズだと感じたが、割とどのジャンルでも楽しく聞けた。
高域が硬めで金物の音が目立つので、ヘヴィメタル系の楽曲も楽しく聞けた。
【総評】
再生機器を整えた時の解像度は非常に高く、現代の同価格帯のヘッドホンと比較しても、かなり高性能だと感じた。
尚且つ金属ハウジングならではの個性的な音で、限定モデルということもあり所有欲を満たす1本だった。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●MacBook Air(3.5mm直刺し)
・あいみょん/初恋が泣いている - EP(J-POP,女性ボーカル) ◎
●MacBook Air + Fostex HP-A4(Audioquest DragonTail + SHIELDIO UA3によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・H ZETTRIO/Kazemachizuki(ジャズ) ◎
・The Range/Mercury(エレクトロニカ) ○
・マックス・リヒター & チネケ!オーケストラ/Richter: The New Four Seasons - Vivaldi Recomposed(クラシック) ◎
●MacBook Air + Fostex HP-A4(SAEC SUS-380 (A-Bタイプ/0.7m)によるUSB接続) + AT-HA22TUBE(MOGAMI 2534によるRCA接続)
・SOIL &“PIMP”SESSIONS/LOST IN TOKYO(ジャズ) ○
・一二三/もう制服はいらない(ボカロ) ○
●MacBook Air + Fostex HP-A3(Audioquest DragonTail + 純SAEC SUS-380 (A-Bタイプ/0.7m)によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Bic/傾奇者弐(ヒップホップ) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △