【高音】★★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】狭い
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】4BA
【発売当時の値段】39800円前後
★良い点★
・高い解像度
・優れたボーカル表現
・フラットで妙な誇張のないチューニング
★悪い点★
・少し音場が狭い
・筐体が剥げやすい
こちらはイヤモニの神と呼ばれたジェリー・ハービー氏のUltimate Earsの2013年当時のフラッグシップイヤホンとなり、名機と呼ばれたTripleFi 10(通称テンプロ)の後継機的な立ち位置で発売されたこともあり、大きく話題となった。
実際にはTripleFi 10とは、かなり異なる音質となったUE900だが、今回はこちらのイヤホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
TripleFi 10は横に長い変わったハウジングで装着感がお世辞にも良いとは言えなかったがUE900は一般的なイヤモニの形に近づき、フィット感は良かった。
付属のイヤーピースはシリコンのものと、コンプライ(低反発)が付いてくるが、コンプライの装着感が良好だったので今回のレビューはコンプライで行った。
ケーブルもリモコンマイク付の青いものと、リモコンマイク無しの黒いものが付属するはずだったが、私は中古で買ったためケーブルが付属せず、後から中古でUE900用の純正の青いケーブル(リモコンケーブル)の単品を購入して付けた。
少し派手な色合いだが、これぐらいのインパクトがある方が個性的で良いと感じた。
ハウジングは高級感があり所有欲を満たしてくれるが、画像の通りに禿げやすいのが難点だ。
2、音質評価
高域は硬くて尖っているような印象だが、刺さらない絶妙なバランスだ。
中音域はボーカルが綺麗に表現されているが、ギターなどの楽器も申し分ない解像度だ。
低域は少し沈み込みが浅く感じるが、そのせいかスピード感のあるサウンドも得意で、デスメタルやスラッシュメタル系のハイテンポな楽曲を聞いても音がダマになることがなかった。
ボーカル重視のイヤホンとして評価された一作だが、昨今のイヤホンのように極端に前に出る印象ではなく、あくまで自然なバランスの中でボーカルが際立つ印象だ。
ボーカルは男女共に得意で、男性はボーカルの力強さが損なわれず、女性ボーカルも天井を感じさせない伸びだ。
各ジャンルを聞いてみて本当に万能なイヤホンだと感じた。
バンドサウンドから打ち込みまで得意だ。フラットで誇張のないチューニングだが、退屈さはなく、むしろリスニングの楽しさがダイレクトに伝わってくるようなサウンドだ。
Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタを使用し、アンプ等を通さずにiPhone 8で音楽を聞いてみたが、十分に高クオリティの音が鳴っていた。
不足感もなく、スマホやDAP直挿しでしか使用しないという人でも凄さを十分に体感できるだろう。
TripleFi 10(以下テンプロ)と比べるとテンプロがBA機ながらDD機のような沈み込みのある低域やアナログな音を得意としていたのに対し、UE900はよりBA機らしい、硬めの音作りに感じた。
またテンプロが広い音場を売りとしていたのに対して、UE900は音やボーカルの近さを重視しているような気がした。
音場に関しては好みの分かれそうなところではあるが、オーケストラなんかを聞いても。迫力ある音でコンサートホールの最前列で聴いているような迫力が得られて、これはこれで良いものだと感じた。
【総評】
既に後続のUE900Sと共に廃盤になっている製品だが、昨今の5万円前後のイヤホンと比べても、UE900のが優れているのではないかと感じた。
特にオールジャンル対応できるので、1本で全ての音楽を聞きたい方にも一押しだ。
アンプを使った際には更に各帯域が明瞭になり、かなりのポテンシャルを感じた。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●Huawei P30 lite + xDuoo XD-01(Hybrid Master(mini-mini)【AP-PCSC-Hybrid-M】(3.5mm to 3.5mm)によるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Liyuu/Fo(u)r YuU(アニソン,女性ボーカル) ◎
・Lifelover/Pulver(ブラックメタル) ○
・星街すいせい/Still Still Stellar’(女性ボーカル,VTuber) ○
●Huawei P30 lite + NIK58-TUBE(DITA Truth Interconnect 3.5 to 3.5 Mini Cable
によるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Charlotte Adigéry & Bolis Pupul/Topical Dancer(EDM) ◎
・Molested Divinity/Unearthing the Void(デスメタル) ◎
・SLAVE.V-V-R./激情(ボカロ) ◎
●Huawei P30 lite + xDuoo XD-01(DITA Truth Interconnect 3.5 to 3.5 Mini Cableによるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・PELICAN FANCLUB/解放のヒント(ロック) ○
・アンネ=ゾフィー・ムター, ボストン交響楽団 & ジョン・ウィリアムズ/Williams: Violin Concerto No. 2 & Selected Film Themes(クラシック) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △