【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ウォーム
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】広い
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】5000円前後
★良い点★
・広い音場と空間表現力
・クラシックやジャズと特別にマッチする音像
★悪い点★
・ウォームでスピード感がないチューニング
・ジャンルを選ぶ
こちらはfinalのEシリーズのイヤホンでE2000と同時発売された品だ。
今回はこちらをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
見た目はほとんどE2000と同じだが、こちらはハウジングが「ステンレス切削高剛性筐体」となっており、少しだけ高級感のある作りになっている。
耳からケーブルを垂らしての直挿し、またイヤーフックを使ったシュア掛けの両方が可能なのはE2000と同じ仕様。
やはりシュア掛けの方が圧倒的に装着感が良いと感じた。
2、音質評価
高域は明瞭だが、刺さるような音ではなく、少し丸みを帯びた音だ。女性ボーカルの伸びはよく感じた。
中音域はウォームで膨らみのある音。人によってはこもっていると感じる方もいるかもしれないが、心地よい音で鳴っていると個人的には感じた。
ボーカルも明瞭だが、前に出てくるような印象ではなかった。
低域は量感多めだが、いわゆるドンシャリ的な音作りではなく、優しく沈み込みのある低音で音に包まれるような印象だ。
あまり他のイヤホンでは聞いた事のないような音作りで、空間作りの秀逸さ、音場の広さが強みとなるイヤホンだ。
いわゆるドンシャリ的な音ではないため、ポップスやロックをノリ良く聴きたい方には刺激が少な過ぎる音と感じるかもしれないが、そのポテンシャルはかなりものだ。
クラシックやジャズに関しては2022年現在でも同価格帯では、これ以上に上手く表現できるイヤホンはないと感じた。
正直、対応ジャンルに関しては万能ではないのだが、このイヤホンで聴くポップスやロックには独特の世界観が存在し、まるでイヤホンの色に音楽が染められているような感じがした。
また音場が広く音に包まれるような感覚もあるため、シューゲイザーなんかも案外マッチするジャンルだと感じた。
エントリークラスのイヤホンには珍しく、アンプなどで、かなり音をグレードアップさせる事ができるので、リケーブルはできないが相当なポテンシャルを持っていると感じた。
全体的に鳴り方がスピーカーに近いという印象もあった。
敢えて言うならクリアでスッキリとした音や、スピード感のある音を求める方には向かないだろう。
【総評】
同時発売のE2000と比べると、どちらも派手な音ではないが、やはりE2000のがポップスやロックをわかりやすく表現する印象だ。
E3000はクラシックやジャズを得意としつつも、独自の世界観に音楽を染め上げていく印象だが、スピード感のある音ではないので音源を多少選ぶ傾向にあると感じた。
どちらが良いかは甲乙つけ難く、各々が聴くジャンルに合わせて、ないしは両方買って使い分けても良いと感じた。
何にしてもエントリークラスのイヤホンとして圧倒的な個性とポテンシャルを持ち合わせた名機だと感じた。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●iPhone 8(Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Aurèle Marthan/Guéthary(クラシック) ○
・坂本真綾/Duets(POPS) ◎
・BELLRING少女ハート/BEYOND(J-POP,女性ボーカル) ○
・アリソン・クラウス&ロバート・プラント/Raise The Roof (Deluxe Edition) (ロック) ◎
・Warpaint/Radiate Like This(ポップス,女性ボーカル) ○
・ALI/LOVE, MUSIC AND DANCE(ロック) ○
●Huawei P30 lite(3.5mm直刺し) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Daniel Herskedal/Call for Winter(ジャズ) ◎
・Bing & Ruth/City Lake(アンビエント) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △