【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ウォーム〜ドンシャリ
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】狭い
【装着感】普通
【発売当時の値段】32000円
★良い点★
・上質な低音
・機材によって変化するポテンシャル
★悪い点★
・やや悪い装着感
・低音の量が多すぎる。
こちらはイギリスのスピーカーメーカー、KEFのポータブルヘッドホンだ。
発売済みのM500の後継品となり、小さくなり持ち運びしやすくなった。
今回はこちらのヘッドホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
シンプルでデザイン性のある外観は好みに合えば満足度が高そうだ。
32000円のヘッドホンと考えると少しチープな気もするが好みの問題だろう。
側圧は強くないが、ヘッドバンドがそんなに広がらないため、頭が大きい人は試着してから購入した方が良いかもしれない。
またアジャスターが硬く、使用していて長さが変わってしまうようなことがないかわりに、調節するのも一苦労だ。
あとは頭から滑りやすく、首を下に曲げたりすると容易にズリ落ちてしまう。
普通の姿勢で歩いている分には問題ないが、ストレスがたまる方もいるだろう。
ケーブルは細くて耐久性が少し不安だが、タッチノイズなどはなかった。
リモコンはiPhoneだと音量調節、再生・停止ボタンが機能し、Androidだと再生・停止ボタンしか機能しなかった。
意外とリモコンは便利だったのでiPhoneで使う人には良いかもしれない。
折り畳みが可能でキャリングポーチに入れるとかなりコンパクトに持ち運べると感じた。
2、音質評価
高域は明瞭だが、低域が太く出ているので存在感は薄めだ。
中音域も明瞭だが、ボーカルメインというよりは音楽全体で聴きたい人に向いていると感じた。
低域は非常に太く量感があった。上質な低域だが、この量の多さは好みが分かれそうだ。
ポタアンなどの特別な機材を通さず、スマホ直挿し(変換アダプタのみ)の場合は低音がかなり支配的な印象を受けた。
私は低音の量感があるチューニングは好きだが、その私でも少し低音が多すぎるのではないだろうか?と顔をしかめたほどだ。
スマートフォンだけで使う場合だと分離が悪く感じて、グルーヴ感のある音楽のが向いていると感じた。
細かい音の多い邦楽を聴くのには向いておらず、一番合うのはジャズ、次点で洋楽の打ち込みポップスやEDM辺りが向いていると感じた。
ただDAPを使って再生したところ、低音がかなりタイトになり、それに伴ってボーカルや高域が見通し良く聞こえてきた。
良い機材で再生すると30000円代のヘッドホンとしての本領が発揮されたように感じた。
【総評】
低音の量感が多すぎるので、自宅よりは外で本領を発揮すると感じるヘッドホンだ。
また再生機材によってかなり音質が左右されるので、DAPをメインで使っている人におすすめしたい。
スマホ直刺しでも悪くはないが、低音が膨張したような印象を受けた。
機材が充実している時の低音は最高に良質だ。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●iPhone 8(Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Beyoncé/RENAISSANCE(EDM,女性ボーカル) ◎
・ハードウェル/Rebels Never Die (Deluxe Edition)(EDM) ○
・ボストン交響楽団 & 小澤征爾/メンデルスゾーン:劇音楽《真夏の夜の夢》(クラシック) ○
・Lakecia Benjamin/Phoenix(ジャズ) ◎
・テイラー・スウィフト/Midnights (3am Edition)(ポップス,女性ボーカル) ◎
・イギー・ポップ/EVERY LOSER(ロック) ◎
●Cayin N5ii(3.5mm 直刺し)
・DAOKO/anima(J-POP,ヒップホップ,女性ボーカル) ◎
・Dos Monos/Dos Siki(ヒップホップ) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △