【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】広い
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】18000円ぐらい
★良い点★
・1BAにも関わらず全ての帯域のバランスが良い
・ジャズとの相性がめちゃくちゃ良い
・音場の広い音
★悪い点★
・装着感は好みが分かれそうだ
こちらはKlipschの名機と呼ばれ、後のKlipschイヤホンの方向性を決定づけたイヤホンだ。
後ほど「X10」という名前で再発されるほど全国で人気になったイヤホンだ。
ちなみにオリジナルL字というか曲線を描いた独特のプラグだが、再発後の「X10」はストレートプラグになっているなどの違いがあるようだ。音は同じみたいだ。
今回はこちらのイヤホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
非常に小さいハウジングは個性的かつスタイリッシュだ。ゴールドの色もかっこよくて高級感があると思った。
イヤーピースは様々な形状のものが入っており一般的に評判の良いものだが、私は上手く耳に固定されなかったので、コンプライの100番、アジアンフィットバージョンを今回は使用した。
また主観だがX10とコンプライの相性は非常に良いと感じた。
ケーブルは絡まりづらいものだが断線が心配な形状ではあった。
2、音質評価
先に申し上げておくが最高のイヤホンだ。
高域は明瞭だがBA独特の刺さりやすいキンキンとした高域ではなく伸びてはいるが刺さりはしない絶妙なバランスだ。
中音域も楽器、ボーカル、共に明瞭でボーカル物やロックも楽しく聴けた。
低域もBA型とは思えないほどの迫力と量感を持っているがタイトで嫌味のない音だ。またウォームで聴き疲れしない音だ。
各帯域に主張があるにも関わらず全体の音としてはフラットに感じた。
メーカーも推しているがジャズとの相性は非常に良く、何万円も積んで高級イヤホンを買ったとしても、X10以上に心地よくジャズを聴けるイヤホンに巡り合える可能性は低いとまで感じた。
だからと言ってジャズ専用イヤホンというわけでもなく他のジャンルでも抜群の表現力を誇りKlipsch色に染めてしまうのだった。
ボーカルものは女性のが特によく聞こえるが男性ボーカルも明瞭だ。
どんな音楽を聴いても素晴らしい聴き心地で、まさに伝説のイヤホンと呼ぶに相応しい内容だった。
【総評】
2010年以前にこのクオリティのイヤホンが提供されていたこと自体が驚きだ。
全てがこのイヤホンで完結してしまうのではないかと思われるほどのクオリティだ。
SHUREのSE215のように廃盤にせず永遠に発売してほしいと思ってしまうイヤホンだ。
2023年現在に聴いても十分に定番以上になれると感じるイヤホンだった。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●iPhone 8 + Fiio Q1mk2 + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Katerina L'dokocova/Mova dreva(ジャズ) 〇
・Ulita Knaus/Old Love and New(ジャズ) ○
・Avishai Cohen, Yonathan Avishai, Barak Mori & Ziv Ravitz/ネイキッド・トゥルース(ジャズ) ◎
・Sharon Van Etten/We've Been Going About This All Wrong(ポップス,女性ボーカル) ◎
・I love you Orchestra Swing Style/Sweet Spare(ジャズ) ○
●Fiio M9(3.5mm直挿し)
・Angel Beats! ORIGINAL SOUNDTRACK [Disc 1](アニソン,サントラ) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △