【高音】★★
【中音】★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】悪い
【分離感】悪い
【音場】普通
【装着感】普通
【発売当時の値段】30000円
★良い点★
・ライブ感のある音
・低音の沈み込み・パワフルさ
★悪い点★
・音がこもって聞こえる
・ボーカルが遠い
・解像度が低い
こちらはFPSというメーカーから発売された平面スピーカーだ。
平面スピーカーとはなんだろう?と思っている方も多い方も多いと思うが、公式によると…
「●“Hi-Fiステレオを耳元に”をコンセプトに新開発したヘッドフォン専用平面ユニットを使用。さらに、平面スピーカーの良さを最大限に引き出すために専用チューニングを施したアンプ+DSP(デジタル信号処理装置)を内蔵し、豊かな低域と明瞭な高域がバランスよく再生されます。」
…とのことだ。
つまりヘッドホンではなく耳元にスピーカーがある=原音再生に近いと私は汲み取った。
今回はこちらのヘッドホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
側圧はやや強めだがイヤーパッドは適度な硬さで不快感はなく長時間の装着にも耐えると感じた。
外観は値段を考えると少し安っぽいが好みの問題である気もした。
シンプルなデザインは服装を選ばなくて好感が持てた。
キャリングポーチも付属するが、やはりこれも高級感のあるものではなかった。
2、音質評価
高域はハッキリ言って駄目だ。高域を重視する方はこのヘッドホンを聴く必要はないだろう。
中音域も微妙な印象で、ボーカルは後ろに引っ込んでいるような印象だ。
低域はこのヘッドホンの唯一の利点でかなりの沈み込みがあり、音源に臨場感をもたらした。
恐らくは「ライブ感」を意識したチューニングなのだろうが音数の多い音源は全体的に曇って聞こえた。
また分離が悪いので昨今の打ち込み系のポップスやバンドサウンド、邦楽全般にあまり向いていない気がした。
ポップスでも音数が少ないものや、グルーヴ感があってEDM調のものは楽しく聴けた。
邦楽より洋楽のポップスのが相性が良いと感じた。
またあまり良いことを書かなかったが、このヘッドホンはジャズやクラシックなどのボーカルのない音源ではかなり臨場感のある表現をしてくれた。
オーケストラなんかも沈み込みがあるおかげでコンサートホールにいるような感覚もあり音楽に没頭してしまう瞬間があった。
また低域がドカドカ聞こえてくる感じは確かにスピーカーのそれに近くて、なんとなく開発者が表現したいものは見えてきた気がした。
【総評】
かなり音源を選ぶが、私はジャズやクラシックを臨場感メインで聴きたい方には悪くない気がした。
フラットとは言い難い音だが、その音作りに引き込まれる瞬間があったのは確かだ。
ただ利点を加味しても定価では高いと感じたので、1万円以下だったら物好きの人は買っても良いかもしれない…というレベルだ。
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●OPPO Reno3 A(apt-x接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Foxes/The Kick(ポップス,女性ボーカル) ◎
・Ron Trent/What do the stars say to you(ジャズ) ◎
・エベーヌ四重奏団 & アントワーヌ・タムスティ/Mozart: String Quintets, K. 515 & 516(クラシック) ◎
●Fiio M9(apt-x接続)
・THE ORAL CIGARETTES/FIXION(ロック) ○
・さユり/酸欠少女(ロック,女性ボーカル) △
・Art Blakey & The Jazz Messengers/Moanin’(ジャズ) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △