【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】狭い
【装着感】普通
【発売当時の値段】37,800円
★良い点★
・女性ボーカルの表現が伸びやかで優れている
・解像度が高い
★悪い点★
・良くも悪くもあっさりしたサウンドで叙情性に欠ける
・やや硬めのサウンド
今となっては古い、2008年リリースのAKGのヘッドホン。「HIGH DEFINTION」シリーズと呼ばれるもので、こちらは密閉型となっている。
鮮明で立体感に富んだサウンドを実現する。「XXLトランスデューサー」を採用しており、微少レベルの信号も正確に再生可能だとのこと。
「高純度OFC(無酸素銅)ケーブル」を採用し、信号の伝送ロスや歪みを抑えることが可能とも、当時の説明には書かれている。
今回はこちらのヘッドホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
価格はオープンとのことだったが、当時の販売価格は37,800円ほどだったようだ。
この金額を考えると、あまりにも高級感のない外観で、昨今の同価格帯のヘッドホンと比べるとプラスチッキーな印象だ。
ただ実際には今は1万円以下で新品が購入できてしまうので、今の値段なら妥当な見た目の気がする。
値段に対して高級感がないというだけで、外観が悪いわけではない。
装着感もQ701やK712 PROなどに比べるとイヤーパッドが硬く感じるが、長時間使用しても特別に疲れるようなことはなかった。
2、音質評価
高域は非常に鮮明で解像度が高く伸びやかだ。ピアノの音などは特別滑らかに聞こえて、素晴らしい表現だと感じた。
女性ボーカルも得意だが、昨今のリスニングヘッドホンに比べると感情がないというか、クールな歌い方に感じた。
中音域も明瞭で、女性ボーカルが伸びやかだが、男性ボーカルも悪くない。ボーカルメインで聴きたい方にも良い選択になるだろう。
低域は量感少なめでタイト。若干暗い印象の低域で、アンプを通すと存在感を増す。
アーティストが本来表現したかった音かは別にして、個人的には、このヘッドホンでヘヴィメタルやヒップホップなどの低音メインの音楽を聴くのも、独特の鳴らし方で好ましく感じた。
ただ得意ジャンルとしてはポップスや、ジャズ、クラシックになるだろう。
音場がそんなに広くないため、クラシックもオーケストラなどよりは室内楽のが良く聞こえる印象だ。
AKGのヘッドホンの中では結構個性的な印象で、実際に同社の上位機種を持っている私でも、K272HDを聴きたくなるタイミングが明確にある。
密閉型ならではの集中して聴かせるようなサウンドが素晴らしい。
ただPCやスマートフォンに直刺しだと低域の存在感が少なくボヤけて聞こえるため、アンプはあった方が好ましく感じた。
【総評】
独特な鳴りだが、個人的には大好きなヘッドホン。
AKGの定番機種は優等生感が強くて退屈なので、こういう癖のある機種とも向き合っていきたい。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●MacBook Air + Fostex HP-A3(Audioquest DragonTail + 純SAEC SUS-380 (A-Bタイプ/0.7m)によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Hideyoshi/Resurrection(ヒップホップ) ○
・Septicflesh/Modern Primitive(デスメタル) ○
●MacBook Air + Fostex HP-A4(Audioquest DragonTail + SHIELDIO UA3によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・UA/Are U Romantic? - EP(J-POP,女性ボーカル) ◎
・アンネ=ゾフィー・ムター, ボストン交響楽団 & ジョン・ウィリアムズ/Williams: Violin Concerto No. 2 & Selected Film Themes(クラシック) ◎
・E.scene/Found Me- EP(J-POP,女性ボーカル) ◎
・Poston./click - EP(J-POP,女性ボーカル) ◎
・アーケイド・ファイア/WE(ポップス) ○
●MacBook Air + AL-38432DSⅡ(SAEC SUS-380 (A-Bタイプ/0.7m)によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Megumi Yonezawa/Resonance(クラシック) ○
●MacBook Air +Denon PMA-60(Audioquest DragonTail + SHIELDIO UA3によるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・ナジー/Savoir Faire(ジャズ) ◎
・Oded Tzur, Nitai Hershkovits, Petros Klampanis & ジョナサン・ブレイク/Isabela(ジャズ) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △