【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】広い
【フィット感】やや悪い
【取り回し】普通
【ドライバー】6BA
【発売当時の値段】139980円
★良い点★
・高い解像度
・質の良い低域
★悪い点★
・フィット感が悪く重くて大きいハウジング
・オールマイティーなチューニングではない
こちらは13万円もするのにエントリーモデルというイヤホンだ。
「制振性に優れ音響的に有利な金属素材をボディに採用しています(公式より)」とのことだ。
今回はこちらのイヤホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
ハウジングは値段相応の高級感があり所有欲が満たされた。
またキャリングケースもかなり豪勢なものが付属してくるが、傷が付きやすそうな材質で気軽に持ち出せない欠点があった。
米国MOON AUDIO製のケーブルが3.5mmと2.5mmでそれぞれ付属していた。
このケーブルはドライバーを使ってダイヤルを操作し、低域の量感を調整できる個性的なケーブルだ。
感覚としてはゼンハイザーのIE80の低音調整ダイヤルに近い印象だ。
イヤーピースはウレタンとシリコンの2種類だ。
どちらも可もなく不可もなくだが、装着しやすさで個人的にはシリコンのが好みかもしれない。
装着感は良好とは言いづらく、ハウジングは耳から出っ張った形になるし、耳の形によっては苦労する方もいるのではないかと感じた。
2、音質評価
高域は明瞭。金属ハウジングらしくキンキンとした音だが刺さる印象はない。
中域も明瞭だがボーカルはリズム隊と同じ位置に定位。リズム隊が割と騒々しく聞こえるのでボーカルが目立ちにくいとも感じた。
低域はダイヤルを一番左に回しても、それなりに量があると感じた。
低域が好きではない方には合わないと感じた。
楽器も含めた音全体で聴かせる印象のイヤホンだ。
スピード感がありロックやメタルに向いてそうな音だ。反面、クラシックにはあまり向かなそうだ。
割と癖のあるチューニングで人は選びそうだと感じた。
また低音の量感のある濃密な音なので、フラット寄りの音や、スッキリした音を求めている方には合わないかもしれない。
ただ値段相応の解像度があるため、細かい音も拾う印象だ。
機材の問題もあるだろうが、個人的には3.5mmケーブルのアンバランス接続よりも、2.5mmケーブルを使ったバランス接続の方が圧倒的に音がよく感じた。
率直に言うと13万円のイヤホンとしては物足りなさがあるのだが、中古相場が下がった現在は買い時ではないだろうか。
低音を主体にしたドンシャリサウンドという点で両者には共通項があると感じた。
またヘッドホン的な鳴り方だなとも思った。
ただし何度も言うが装着感を含めて人を選びそうなイヤホンなので、自分の趣味嗜好を理解した上で試聴後に買うことをおすすめしたい。
【総評】
正直アンバランス接続の際には値段の割には微妙だなと思ったのだが、バランス接続で見直した部分があった。
評価の難しいイヤホンだが、個人的に嫌いではなかった。
高額なイヤホンならではの、音楽を聞いてうっとりとしてしまう時間が確かにあった。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
★3.5mmケーブル
●iPhone 8 + ベンチャークラフト SounDroid Vantam(V7LJ2A 7Nclass Lightning-USB横出しデジタルショートケーブルを使ったUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・オーガスト・バーンズ・レッド/Death Below(メタルコア) ○
・The Ocean/Holocene(ヘヴィメタル) ○
●Huawei P30 lite + xDuoo XD-01(DITA Truth Interconnect 3.5 to 3.5 Mini Cableによるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Superfly/Heat Wave(J-POP,女性ボーカル) ○
●Huawei P30 lite + xDuoo XD-01(ALO audio Cryo SXC 18G mini to miniによるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Enforced/War Remains(スラッシュメタル) ◎
★2.5mmケーブル
●iPhone 8 + ベンチャークラフト SounDroid Vantam(V7LJ2A 7Nclass Lightning-USB横出しデジタルショートケーブルを使ったUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・アヴェンジド・セヴンフォールド/Life Is But a Dream…(ヘヴィメタル) ◎
●SONY NW-ZX300(4.4mm端子にCayin PH-4X変換アダプタを使って接続)
・SLAYER/REIGN IN BLOOD(スラッシュメタル) ◎
●Cayin N5iiS(2.5mm 直刺し)
・POP ART TOWN/ART MUSEUM(J-POP,女性ボーカル) ○
・Cö shu Nie/Flos Ex Machina(J-POP,女性ボーカル) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △