【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ウォーム
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】良い
【取り回し】普通
【ドライバー】8BA
【発売当時の値段】10万円ぐらい
★良い点★
・圧倒的に上質な低音
★悪い点★
・良くも悪くも濃密な音
・スピード感はない
こちらはWESTONEの最上位機種、W80のマイナーチェンジ版のV3だ。
過去にも2019年モデルとして再リリースされているが、こちらのV3は2回目のマイナーチェンジで簡単に言えば廉価版だ。
ケーブルを安価なものにして、ハウジングのフェイスプレートのロゴも以前とは違ったものになった。
こちらは海外でしか発売されておらず、2019年モデルが16万円ぐらいしたのに対し、こちらのV3は100ドルぐらいで購入できた。
今回はこちらをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
廉価版とは言えイヤーピースは多種多様なものが入っており、何かしらはフィットするのではないだろうか。
ウレタンタイプは遮音性が高く低域もしっかりと聞こえるし、W80の音の方向性とも合っているように思えた。
ケーブルは正直見た目にも安っぽくハウジングは良くも悪くも、いつもと代わり映えしない印象だ。
つまり高級感はあまりなく所有欲は満たされない。
敢えて言うなら大きくて頑丈そうなキャリングケースは高級感があって良かった。
2、音質評価
高域は伸びるが刺さるような音ではなくドンと重い印象の音だ。
ただ高域に関しては再生機材によっても印象が大きく変わった。
中域も明瞭だがボーカルはリズム隊と同じ位置か少し前に出るぐらいの印象だ。
何にしても圧倒的に濃密なリズム隊の音が支配的なので良くも悪くもスッキリした印象はなかった。
低域は量感もあるが、何より圧倒的な表現力があり、個人的にはW80の一番個性的な部分だと感じた。
打ち込み系よりは生楽器のが得意な印象だ。ボーカルは男女ともに悪くなかった。
とにかく濃密な音でジャズ、ファンク、R&Bあたりのジャンルには特にマッチすると思えた。
反面、他のジャンルは音源にもよるが独特の鳴らし方をするので好みが分かれそうだ。
またスピード感はあまり感じられず、こってりとした音でウォーム系を極めたとも思える音だ。
正直に言えば、私自身はジャズやファンクをメインジャンルとしては聞いていないのでW80はドンピシャに好みの音ではない。
最上位機種だが、必ずしも大は小を兼ねるとは言いづらいのがWESTONEのイヤホンだ。
是非、ご自身のジャンルや好みの鳴らし方を自覚した上で試聴して購入してみてほしい。
また何となくだが付属のケーブルの性能はあまり良くない気がしたので、適切にリケーブルすれば、もっと本領を発揮できるような気がした。
【総評】
悪くはないが好みは選びそうなイヤホンだ。値段も安いものではないので要試聴と感じた。
ただ、それだけ個性的ということでもあるので、ハマる人が使えば最高の1本になる可能性を秘めていると感じた。
低音にグルーヴ感のある曲で相性が合った時の演奏は得に素晴らしく感じた!
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●Huawei P30 lite + xDuoo XD-01(DITA Truth Interconnect 3.5 to 3.5 Mini Cableによるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Alfa Mist/Variables(ジャズ) ◎
・川崎鷹也/ぬくもり(J-POP) ◎
・Elina Duni, ロブ・ラフト, Fred Thomas & マシュー・ミッシェル/A Time to Remember(ジャズ) ○
・ミシェル・ンデゲオチェロ/The Omnichord Real Book(ジャズ) ◎
●iPhone 8 + ベンチャークラフト SounDroid Vantam(V7LJ2A 7Nclass Lightning-USB横出しデジタルショートケーブルを使ったUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Home Is Where/The Whaler(エモ,パンク) ○
・はらかなこ/Tokyo City Pop“Portrait”Produced by Kanako Hara - EP(J-POP,女性ボーカル) ○
・キノコホテル/マリアンヌの教典(ロック,女性ボーカル) ○
●Cayin N5iiS(3.5mm 直刺し)
・長谷川白紙/エアにに(J-POP) ○
●Fiio M9(3.5mm直挿し)
・D’Angelo/Voodoo(R&B) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △