【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】悪い
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】30000円
★良い点★
・高域の抜け感が良い
・ボーカルの綺麗な表現
★悪い点★
・ゴムゴムした取り回しの悪いケーブル
・低域が人によってはこもっているように聞こえそう
こちらはKuradaのイヤホンで、ステンレス素材のKD-E9S、チタン素材のKD-E9Tが同時発売された。
Kuradaは静岡県三島市の楽器店「飯田ピアノ」が運営する新興ヘッドフォンブランドだ。
今回は安い方のステンレスモデルをレビューしてみよう。
１、音質以外の評価
高級感のある木箱に入っておりパッケージの特別感は十分だ。
内容はイヤホンとイヤーピース3ペアで特に変わったところはなかった。
イヤホン自体はステンレス筐体で高級感があり、ミニマルなデザインも好まれそうだ。
問題はケーブルで、リケーブルできない上に低価格イヤホンなどに使われていそうな引っ掛かりやすいゴムゴムしたケーブルだ。
また筐体がステンレスで重いにも関わらずゴムゴムしたケーブルなので取り回しが悪く感じた。
このケーブルが許されるのは5000円以下の低価格イヤホンのみだと考えていて、私は法律で使用を禁止してほしいぐらい嫌いなケーブルなので、不快な気持ちでたっぷりだ。
単純に断線したら捨てるしかないという点でも、3万円以上するイヤホンで、この素材は不安な方も多いのではないだろうか。
シュア掛けはできないがフィット感は比較的良好だ。
intimeの碧(Lightではなく初代の方)に取り回しや装着感が似ていると感じた。
２、音質評価
高域は明瞭。ピアノの響きも良いし、女性ボーカルの伸びも十分だ。また鮮明にも関わらず刺さる印象はなかった。余韻は少なめ。
中音域も明瞭。ボーカル表現は少し前に出るものの、自然で誇張のない表現に思えた。
低域は適度な量感があり沈み込みも深く感じた。特にEDMなどの電子音との相性が良い低域に思えた。
沈み込む上質な低域が心地よく、EDMやK-POP、打ち込み系のポップスとの相性が一番良いのではと感じた。
またジャズなんかも心地よく聴くことができた。
高域のアタック感もあるのでロックも向いていそうなのだが、音数が多いと音がごちゃまぜになって篭っているような、スッキリしない音になってしまった。
恐らくドライバーの方では音を分離できているのだが、ハウジングによる反響で音が整理できていないような印象を受けた。
そのため生楽器のバンドサウンドなんかは音が混濁して、あまり良くないような気がした。
個人的には好きなサウンドなのだが30000円のサウンドとしては色々と未完成な部分が多いように感じたし、人によっては5000円程度の碧 Lightのが音が良く感じるのではないかと思った。
アンプで音が大きく変わることもなく、Go Link(USB DAC)を噛ませることで低域が若干クリアになったような印象も受けたが、鳴らしやすいイヤホンなのでスマホ直挿しでも問題はないだろう。
【総評】
値段を考えるとコスパが良いとは言えないし、ケーブルの耐久性にも不安が残った。
個人的には好きな音だが、他人に薦められるチューニングバランスではないと感じた。
ただボーカル表現や高域の滑らかさには価格帯相応の実力も感じるところがあって、繰り返しになるが個人的には好みの音ではあった。
【点数】 ★★★★★★★ 7/10
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●OPPO Reno3 A(直挿し) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・花澤香菜/追憶と指先(アニソン,女性ボーカル) ○
●OPPO Reno3 A + iFi audio GO link + Amazon Music HDによるサブスク音源
・ME：I(ミーアイ)/MIRAI - EP(J-POP) ◎
・メルヴィンズ/Tarantula Heart(ロック) ○
・XG & VALORANT/UNDEFEATED - Single(J-POP) ◎
・Claris/ふぉりら - EP(アニソン,女性ボーカル) ◎
・Gary Clark Jr./JPEG RAW(ロック) ◎
・SIX LOUNGE/All Right - EP(ロック) ○
・Nia Archives/Silence Is Loud(エレクトロニカ,ポップス) ○
・VIGORMAN/DANCE(ヒップホップ) ○
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
