私はイヤホンハンター

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Noble Audio「TRIDENT」高音刺さりまくり!低音の量感多め!じゃじゃ馬イヤホン

【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★(量感多め)
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】悪い
【ドライバー】3BA
【発売当時の値段】48000円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で13000円ぐらい
【点数】 ★★★★★★★ 7/10

 

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三つ叉の矛の意味を持つTRIGENTの名を授けられたイヤホン。低音・中音・高音でピークが作られており、それを三つ叉に例えたのではないかと思うが、言い得て妙である。
 
また一時期からはパッケージが変わり、元々はアップグレードケーブルであったUltra Thin ケーブルが純正ケーブルとして付属するようになった。
 
Ultra Thin ケーブルは元々のNOBLEイヤホンの純正の黒いケーブルに比べると、かなり高レベルなケーブルで、高音が伸びるようになり、スピード感も増強されたように思われる。
 
ただし、このギターの弦よりも細いケーブルは、すぐに絡まり、尚且つ千切れそうで心臓に悪い。音は良いのだが、もう少しケーブルを太くできなかったのかと思ってしまう。
 
肝心の音質だが、かなりの暴れん坊、じゃじゃ馬、ハッキリ言うけど、あまり人気は出ないと思う(笑)。
 
まず高音はかなり強烈。楽曲にもよるが刺さりまくりだ。ただし価格相応の分離感で、かなり細かい部分まで音を再現しているのは、さすが数万円のイヤホンだけはある。
 
中音域は鮮明だが、ボーカルは少し遠く感じる。ただ、昨今のイヤホンはボーカルが近いものが多いため、比較してそう感じるのであって、本来適切な距離感のようにも受け取れる。
 
低音はDDのイヤホンには負けるが、3BAのイヤホンとしてはかなり量感がある方だと思う。
 
この低音の量は好みが分かれそうな部分で、個人的には歓迎だが、もっとスッキリと聞きたい人もいるだろう。
 
色々と不満も書いたが、やはりポータブルアンプ等を通して適切な環境で聴いた時には、「数万円のイヤホンスゲー!!!」という感動のあるチューニングにはなっている。
 
・イヤーピース
イヤーピースは最初は純正のシリコンタイプのクリアの物を使っていたが、フィット感が悪く、後半は純正のフォームタイプ(コンプライ系)に変更した。
 
Nobleの付属のイヤーピースは正直、褒められたものではなく、黒いタイプのものはツルツルと滑り、全サイズ耳にフィットしない。
 
クリアタイプは黒色に比べて幾分かマシだが、Mだと小さすぎて、Lだとフィット感が悪く耳も痛くなり、低音も減衰してしまっている気がした。
 
フォームタイプはその特性上フィット感が良く、高音も出ていたため、一番適切だった気がする。Nobleイヤホンはステムが太いため、他社製のイヤーピースでもスムーズに付けられるものが限られるのが苦しい。
 
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
 
OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源
・MIGMA SHELTER/ALICE(2020年EDM,アリプロ系アイドル) ○
・7ORDER/ONE(J-POP) 〇
・當山 みれい/still(J-POP) 〇
・ジョエル・ロス/Who Are You?(ジャズ) ◎
 
OPPO Reno3a + Fiio Q5s(aptx接続) + AM3D
宇野実彩子 (AAA)/Sweet Hug(2021年ソロアルバム) ○
・デューク・デュモン/DUALITY(EDM) 〇
・Of Feather And Bone/Sulfuric Disintegration(デスメタル) ◎
・Snorlax/II - EP(ブラックメタル) 〇
 
OPPO Reno3a(直刺し)
indigo la End/濡れゆく私小説(2019年作) ○
 
●Fiio M9(直刺し)
・Emerson Lake & Palmer/Tarkus(プログレ,AAC音源) △
・中村佳穂/AINOU(J-POP,ALAC音源) ◎
・瑛人/すっからかん(J-POP,ALAC音源) ◎
 
●NW-ZX300(直刺し)
大森靖子/kintsugi(J-POP,ALAC音源) 〇
 
若手ヴィブラフォン奏者の2020年のアルバム。楽器の音も鮮明に再現して、トリップ感がある。非常によく奏でていたと思う
 
J-POPの2018年名盤。エレクトロニカなバックを中心にボーカルを引き立たせる。元々の音源との相性もあっただろうが、Fiio M9の押し出しの強い低音とTRIGENTの高音が得意な性質が上手くマッチしたと考えており、DAPとイヤホンの相性が良かったんじゃないかと思っている。
 
クラストコアなどのハードコアパンクの影響下にもあるデスメタル。暴力的なドラムの洪水を見事に再現。シンバルの音の伸びも良い。案外、ハードコアなメタル等の再現に優れているのかもしれない。
 
元々のTRIGENTのチューニングだと低音の沈み込みが甘く、あまりEDMに向いているとは言えないのだが、ポタアンのbass増強スイッチをONにしたら、見事なまでにクラブのライブ感を再現した。イコライザー等がいじれるのであれば、低音部を補強する事でEDMもかなり楽しんで聞く事が出来る。
 
Nobleのジョン・モールトン氏のチューニング解説では「低域と高域を強調したポップなチューニングがなされた」との事だったので、開発者の予想外にヘヴィメタルやジャズ、インスト物に強くなってしまったのではないかと思った。
 
またイコライザーを弄れば、ありとあらゆるジャンルに対応できそうな器の広さも持ち合わせている。
 
ただし、割とどのジャンルもクールに鳴らすところがあり、楽曲にマッチすれば良いのだが、楽器の艶や、女性ボーカルの色気を感じられる事は少なく感じた。無機質な印象がある。
 
またEmerson Lake & Palmerの「Tarkus」なんかは高音がかなり主張するため、騒々しくて落ち着かない場面もあった。
 
上記のような癖も含めて初心者向きとは言い難く、ある程度イヤホンに精通した人に向いていると思う。
 
ボーカルではなく、演奏メインでPOPSを聞く場合は心地よく聞けて、激しめのヘヴィメタルバンドでも音の分離が良く、音そのものを楽しみたい人とは相性が良いと思われる。何にしても視聴は必須と言えるだろう。