【高音】★★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】やや狭い
【装着感】良い
【発売当時の値段】34000円ぐらい
★良い点★
・繊細で余韻のある高域
・比較的ジャンルを選ばないバランスの取れたチューニング
★悪い点★
・高域が騒々しいと感じる方もいるかもしれない
・低域の沈み込みは浅め
こちらはSONYのベストセラーモデルである「MDR-1A」の後継作品となるヘッドホンだ。
今回はこちらのヘッドホンをレビューしてみよう。
１、音質以外の評価
まず、すごく軽いというのが第一印象だ。
ポータブルヘッドホンと考えても驚異的な軽さで、本当にこのヘッドホンから音が出るのかと疑ってしまうレベルだ。
デザインはシンプルで使いやすいものだが、人によってはもう少し個性がほしいとか、3万円前後のヘッドホンとしての高級感がほしいと思うかもしれない。
ただ軽さとトレードオフと考えると致し方ないところだ。
軽い事によって装着感はかなりよく、イヤーパッド自体も柔らかくて長時間着けていても疲れることはなかった。
また付属のキャリングポーチもシンプルながら中はフカフカで、しっかりとヘッドホンを守ってくれそうな頼もしさもあった。
元から3.5mmと4.4mmのそれぞれのケーブルが付属してくるので、バランス接続をすぐに試すことができるのもコストパフォーマンスが良く思えた。
ケーブルも取り回しがよく携帯するのに好ましい長さに思えた。
２、音質評価
高域は繊細かつ余韻が凄まじい。10万円クラスのヘッドホンでも、ここまで繊細な女性ボーカルやシンバルの音の表現はないように感じた。
ただ解像度が高すぎるが故に高域が騒々しいと感じる方もいるかもしれない。
中域も明瞭。SONYの様々なヘッドホンの中でも特にボーカルに力を入れたヘッドホンだと感じた。
低域は適度な量感があるが、これまでのSONYのヘッドホンが沈み込みが深くウォームな低域のものが多かったのに対し、1AM2の低域はタイトで沈み込みは浅く、また音が引くのも早い気がした。
EDMや打ち込み系のポップスなどの現代的な音源に合わせた、スピード感を重視したチューニングに思えた。
SONYらしい万能さを兼ね備えながらも女性ボーカルの表現や、全体的な解像度の高さは目を見張るものがあった。
ただボーカルだけではなく、比較的オールジャンル対応できるチューニングになっており、特に苦手なジャンルを感じなかった。
敢えて言うならボーカルものやポップス、古い音源より新しめの音源を聞く方に向いているような気がした。
また同社のZX300との組み合わせで4.4mmバランス端子を使った再生をしたところ、音の分離がよくなり、より細かい音まで聞こえるような印象を受けた。
4.4mmのが音だけで言えば良いのだが、一般的なアンプやプレーヤーに使いやすい3.5mmも捨てがたく、2本のケーブルが同梱されていることが重ね重ね有難く感じた。
敢えて欠点を申し上げるのであれば、スピーカーのような重厚さはあまりなく、耳の中で鳴るヘッドホンの音という印象が強いので、ヘッドホンにピュアオーディオっぽさを求める方には違うのかなと感じた。
【総評】
私が初めて買った2万円以上のヘッドホンでもあり、思い入れも強い。
個人的にはかなり好きな音で、SONYの新境地にも思えた。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定！！！】
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
【付属の3.5mmケーブル使用時】
●iPhone 8(Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・堀江由衣/文学少女の歌集Ⅱ-月とカエルと文学少女-(アニソン,女性ボーカル) 〇 ・オレンジスパイニクラブ/hodgepodge(ロック) 〇
●Oppo Reno3a(直挿し) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・LAMP IN TERREN/Romantic Egoist(ロック) 〇
【付属の4.4mmケーブル使用時】
●SONY NW-ZX300(4.4mm 直挿し)
・日向萌/TVアニメ お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 オリジナル・サウンドトラック(アニソン,サントラ) ◎
・牛尾憲輔/Chainsaw Man Original Soundtrack Complete Edition - chainsaw edge fragments -(アニソン,サントラ) ◎
・BAND-MAID/WORLD DOMINATION(ヘヴィメタル,ロック,女性ボーカル) 〇
●OPPO Reno3 A + Fiio Q5s(LDAC接続) + AM3D(3.5mm) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Milanku/A L'aube(パンク) 〇
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
