【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ドンシャリ
【発売当時の値段】64770円
VentureCraft社のポータブルアンプ。発売は2015年だ。
当時は有名なポタアンだったため名前を聞いたことのある人も多いはずだ。
今回はこちらのポタアンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
とにかく本体に様々なスイッチが付いていて様々な嗜好や用途に合わせて使えるのは良いのだが、わかりづらいのが本音だ。
私もこのポタアンを使って数年経つが未だに使いこなせていないような気がした。
本体は黒一色。高級感はあるが少し無骨な印象だ。
厚さは現代のポタアンと比べると厚くも薄くもない中間ぐらいの印象だが、2010年代初頭はかなり厚めのポタアンが多かったので、それらと比べると薄めに思えた。
充電は中古で購入したからかもしれないが、あまり長くもたない印象だ。
とは言え、やはり昨今のFiioのポタアンなどが超時間もちすぎるような印象なので、当時としては普通だったはずだ。
あとはアナログもデジタルも様々な接続方法があり、iPhoneともVentureCraft社から発売されているUSBケーブルなどを使ってデジタル接続ができた。
私は運良く中古で「7Nclass Lightning-USBケーブル」を入手できたので、専らそれを使ってiPhone 8と繋いでいる。
また今では主流ではなくなってしまった2.5mmバランス接続が可能だ。2015年当時でバランス接続ができるポタアンは、かなり凄かったと思える。
各スイッチは音の傾向やGAINなどが調整できる。
面倒なのでそれぞれの解説は控えるが、出力は並なので、極端にインピーダンスの高いイヤホンは鳴らしきれないような印象だ。それはGAINをHIGHにしてもあまり印象は変わらなかった。
2、音質評価
高域は明瞭だが各帯域の中では目立たない印象だ。特に強調されたイメージもないので刺さりが苦手な方にもおすすめできそうだ。
中音域も明瞭だが、これも特に何が誇張されることもなく解像度を底上げする印象だ。
低域が一番特徴的でやや量感が増されるような印象と、沈み込みが深く感じた。
全体的にどっしりとした印象のサウンドでスピード感はあまり感じられなかった。
またボーカルが前に出るとか、そういうタイプのポタアンでもなかった。
アナログライクな音で、どっしりとした低音とパワフルな音像は、どこかスピーカーで鳴らしているようなピュアオーディオ志向な音に思えた。
打ち込み系の音源も悪くないが生楽器のがVANTAMの真価が発揮できる気がした。
特徴のしっかりした音なので好みは分かれそうだが、音は値段相応にめちゃくちゃ良いように感じた。
VANTAMは解像度は高いものの不自然さを感じさせないアナログライクな音像だ。
音楽としての雰囲気を大事にした重厚感のあるサウンドで、リスニングをしっかりと楽しめるチューニングに仕上がっているように思えた。
【総評】
接続方式も豊富だし、個人的には長く使っていけるポタアンの名機だと感じた。
中古で見つけたら多少根が張ってでも手に入れてほしい品だ。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】