私はイヤホンハンター

オーディオで破産!生活保護まで、あと一歩!!

TFZ「KING EDITION」金属質の音が鳴り響く,究極のロックサウンド!!

【高音】★★★★

【中音】★★★★

【低音】★★★★★

【傾向】ドンシャリ

【解像度】良い

【分離感】普通

【音場】普通

【フィット感】普通

【取り回し】普通

【ドライバー】1DD

【発売当時の値段】20680円ぐらい

【筆者が購入した値段】Aliexpress8000円ぐらい

【点数】 ★★★★★★★★ 8/10

 

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既に高級イヤホンブランドとして知名度も上がってきたTFZのイヤホンである。

 

KINGシリーズも同社の人気シリーズの1つだが、今回のKING EDITIONはシリーズの中でも最も上位的な位置づけだ。

 

金属筐体に、スイッチで音質を切り替えるギミック、見た目も美しく、まさに王の中の王と言えるイヤホンだ。

 

付属品等は「いつも」と変わらず。個人的には必要十分だと思っている。

 

1、音質以外の評価

個人的にTFZのイヤーピースはフィット感が良く、特別に交換の必要性を感じていない。今回は純正のMサイズのイヤーピースで視聴した。

 

高音の伸びに不満があればAET07辺りが有力な選択肢になると思う。

 

最近のTFZに不満があるのは、いつからか白くて高級感のあるケーブルに付属ケーブルが変わったのだが、耳掛け部分が硬く、ケーブルの柔軟さがないが故にイヤホンのフィット感が削がれ、耳から抜けやすくなってしまう。

 

これによって低音の量感がきちんと確保できていないと感じており、純正ケーブルの音質に不満が無いにも関わらず、リケーブルを余儀なくされてしまう。

 

2、音質評価

ロックのために生まれたイヤホンと言っても過言ではない。

 

このイヤホンで聴くべきはバンドサウンド。少しオールドスクールな物の方が良いかもしれない。

 

高音は伸びるわけではないのだが、非常に硬めの音で存在感がある。ドラムの音は勿論、ピアノの音も綺麗にならす。

 

中音域は躍動感のある楽器の音が楽しい。ボーカル重視の方には、少しだけボーカルが遠く感じるかもしれない。

 

低音は量感があるが、タイトで締まりがあり、ボワつくような印象はない。

 

2つのモードだが、開封時に設定されているMusic Modeは低音の量感があり、名前通り、ノリで楽しく聞かせる。

 

ただ後述のProfessional Modeに比べると篭った印象を持つ方が大半であろう。

 

解像度を意図的に下げる事で音楽を楽しく聞かせるチューニングだと個人的には考えていて、ギターをかき鳴らすようなギターロック、ロキノンバンド等はMusic Modeで聴いている。

 

ただ、とにかく篭りが嫌いという方はProfessional Modeのみで使っても問題ないと思う。

 

Professional Modeは解像度が高く、モニターライクなサウンドになり、多くの方はこちらの方を好みそうだ。

 

私は音楽に合わせて切り替えて楽しんでいる。

 

No.3が女性ボーカルやPOPSに向いていたのに対し、KING EDITIONはとにかく音が硬く、ロックのためにチューニングされたとしか思えない硬派な音を鳴らす。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

3.5mm 純正ケーブル】

 

●Cayin N5ii(直刺し)

D'espairsRay/REDEEMER(AAC)(ヴィジュアル系,ロック)

・ムック/是空(AAC)(ヴィジュアル系,ロック)

 

OPPO Reno3a + iBasso DC03 + Apple Musicによるサブスク音源

SUPER BEAVER/アイラヴユー(ロック)

Ochunism/INSIDE(ロック)

・聴色/さよならを交わすとき

・マハラージャン/ちがう - EP

 

前述にも書いたが耳掛け部分の被膜が硬く、イヤホンを押し込んでもケーブルの感性によって耳へのフィット感が悪い。何度もポジションを修正する事になり、あまり良くない状況だ。

 

ただ前述の状況を踏まえても、量感がありながらボワつかない低音と、ガッチガチに硬いドラムの音は素晴らしく、ありとあらゆるロックをこれでもかと素晴らしく鳴らす。

 

JSHiFi-Hi8にリケーブル】

 

●NW-ZX300(KING EDITION + JSHiFi-Hi8(2.5MM) + Cayin PH-4X)

安価な2.5mmのケーブルJSHiFi-Hi8にリケーブルして、更にCayin2.5mm4.4mm変換アダプターを使って、NW-ZX300のバランス接続で聴いてみた。

 

・空白ごっこ/A little bit(ALAC)(J-POP) ○

・ヨルシカ/夏草が邪魔をする(ハイレゾ)(J-POP)

TWICE/BETTER(ALAC)(K-P0P)

THE MAD CAPSULE MARKETS/P.O.P(ALAC)(J-POP)

 

純正ケーブルの耳掛け部分のプラスチックが硬く、イヤホンのフィット感が悪い件が解決して、同じイヤホン,イヤーピースなのに見事なまでにフィットするようになった()

 

取り回しは良くなったのだが、純正ケーブルの時の低音の量感は鳴りを潜め、タイトでスッキリした低音になった。そのせいか女性ボーカルは純正ケーブルより良く感じるが、KING EDITIONならではの個性は減少したように感じる。

 

ただNW-ZX300の上質な低音はイヤホンと相まってライブ感を出しており、まるで音が耳元をかすめるような臨場感を感じられる。私は純正ケーブルのが良いと思ったが、好みの問題で、こちらが良いという方もいると思った。

 

●NW-ZX300(KING EDITION + KBF4815(2.5MM) + Cayin PH-4X)

 

・ずっと真夜中でいいのに/ぐされ

 

Kinbofiiの定価1万円越えの高級ケーブルにリケーブル。解像度が上がって透き通るような音になった。

 

これはこれで素晴らしい。女性ボーカルなんかはこちらのが良いのだが、元々の個性が失われてしまった気がする。この音なら他のイヤホンでも代用できそうな感じだ。かなり好みの音ではあったのだが、純正3.5mmケーブルに結局は戻してしまった。

 

www.youtube.com

KORN等のニューメタルから影響を受けたヴィジュアル系バンドの3rdアルバム。激しい曲での爆発力はトリガーを引いたような勢いで、このイヤホンならではの迫力がある。

 

Inside by ochunism on Apple Music

様々な音楽の要素を取り入れたオルタナティヴロックバンドの1stミニ。割と落ち着いて聞かせる楽曲が多いのだが、楽器の音に艶が加わり、派手なところは派手に、落ち着いたところは落ち着いて聞かせる。素晴らしい。

 

BETTER - EP by TWICE on Apple Music

EDMとの相性も良いと思われるこちらのイヤホン。TWICEのバックのデジタルな音も大迫力で鳴らし、ライブ感も抜群。DAPとの相性も良かったと思われる。

 

少しジャンルが限定的になってしまうイヤホンという印象だが、2万以下のイヤホンから、この音が鳴っていると思うと時代の進歩はすごい事だなと感心する。

 

ロックに関しては唯一無二の音を鳴らすイヤホンなので手元に1本残しておきたいし、リケーブルで大きく音が変わるので、ポテンシャルも秘めている。2つのモードもあるので、末永く遊べそうなイヤホンだ。

final「FINAL HEAVEN V」バンドサウンドを細部まで聞かせるライブ感ある1本!

【高音】★★★★★

【中音】★★★★

【低音】★★★

【傾向】???

【解像度】良い

【分離感】普通

【音場】普通

【フィット感】普通

【取り回し】少し悪い

【ドライバー】1BA

【発売当時の値段】29800円ぐらい

【筆者が購入した値段】中古で7000円ぐらい

【点数】 ★★★★★★★ 7/10

 

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finalの少し古いイヤホンで、真鍮削り出しのカナル型イヤホンという、豪勢な触れ込みで登場。

 

価格も高く、斬新なデザインが目に付く。音もかなり特徴的と言える。

 

1,音質以外の評価

付属品は豪華で、イヤホンマニアには有名なEタイプのイヤーピースの他、Aタイプ、Bタイプの各サイズが付属する。

 

簡単に言うとAタイプ、Bタイプのが低音が出るのだが、肝心のフィット感がEタイプに比べるとだいぶ劣るため、結局はEタイプを使う事にした。

 

また現在では「きしめん」と揶揄されるケーブルは、取り回しが悪く、何よりタッチノイズが酷い。

 

通常通りの利用では徒歩移動の際にタッチノイズが酷く、せっかくの音を台無しにしてしまう。

 

私は出勤時にはネクタイピンにケーブルを挟んで固定し、私服の際にはRHAのイヤホンクリップで服に固定して使っていた。これでタッチノイズの問題はほぼ解決するが、手間がかかる事には変わりがない。

 

ケーブルの形状から、シュア掛けは難しいと思う。筐体は思ったより軽く、筐体の重さで落ちるという事はあまりないだろう。

 

耳の奥までイヤーピースを入れ込むタイプなので、普段より1段階下のイヤーピースを装着し奥まで入れ込む印象で、フィット感が上がる。

 

また豪華なスチールケースが付属するのだが、正直ケーブルの取り回しが悪い事もあり、ケースにイヤホンを仕舞うのは結構面倒だ()

 

2,音質評価

かなり癖があり評価が難しいイヤホンである。

 

高音はかなり伸びる。これでもかと言うほど伸びる。このイヤホンの素晴らしい長所だろう。

 

中音はかなり繊細に楽器の音を捉えている。これによりスピード感は少し落ちている気がするが、この中音域の音の粒子まで捉えそうな響きは、やはりこのイヤホンの特徴だろう。

 

低音は、このイヤホンの中では一番目立たないところだが、1BAのイヤホンと考えると、かなり量感がある。勿論、嫌な量感ではなく、必要十分な程度にだ。

 

耳を包み込むような音像は、とても1BAのイヤホンが出しているとは思えず、ダイナミックドライバーを積んでいるのではないかと錯覚してしまいそうだ。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

●Fiio M9(直刺し)

大森靖子/超歌手大森靖子2019 47 都道府県TOUR(Kintsugi初回盤2枚目)(ALAC)(J-POP)

KEN YOKOYAMA/Nothin' But Sausage(MP3)(メロコア)

 

●Cayin N5ii(直刺し)

The Clash/London Calling(ALAC)(70's PUNK)

 

OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源

坂本真綾/Duets(女性ボーカル,ジャズ)

RYUTist/ファルセット(アイドル,女性ボーカル,J-POP)

Violet Cold/Noir Kid(ブラックメタル,シューゲイザー)

・アクセプト/Too Mean to Die(パワーメタル)

 

London Calling by The Clash on Apple Music

こういうオールドタイプのパンクロックの相性はめちゃくちゃ良く、楽器の音を細部まで再現しているかのようだ。

 

Noir Kid by Violet Cold on Apple Music

ブラックメタルシューゲイザーが融合したようなサウンドなのだが、こういった轟音ギターサウンドも向いていると思う。

 

Too Mean to Die by Accept on Apple Music

高音が伸びやかなので女性ボーカルのポップスなどが向くかと思っていたが、案外ギターギュンギュンのハードロックやバンドサウンドのが適している気がする。

 

【総評】

 

バンドサウンドやオールドロックが合いそうな音ではあるが、昨今のポップスも平均点以上に聞かせる。

 

万能ではあるのだが、楽曲とイヤホンの習性がピタッとハマった時はかなり気持ち良い。

 

癖はあるのだが、面白いイヤホンだ。

1MORE「E1001」ウォームな低音でハイブリが苦手な人も安心!!

【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD + 2BA
【発売当時の値段】13,820円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で1500円
【点数】 ★★★★★★ 6/10

 

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金色の高級感あるデザイン

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オーディオオタクの嫌いなリモコンマイク付

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かなり細かく大きさの違うイヤーピース群

 

2016年に新ブランドとして名前が浮上した1more。まずはイヤホン販売の専門店、eイヤホンにて3種類のイヤホンが独占発売され、その3本のフラッグシップモデルに当たるのが、このE1001だった。

 

ちなみに当時発売されたのは、ハイレゾ対応のハイブリッド型「E1001」が13,820円(税込)、ハイブリッドの「E0323」が10,580円(税込)、ダイナミック型の「1M301」が4,290円(税込)という形だった。

 

Foxconnのメンバーで構成されている1moreは2013年に設立されたが、日本ではスマホで有名なXiaomiファミリーの会社、Xiaomiの下請け会社というイメージが強いのではないだろうか?そのXiaomiとの縁も現在では軽薄ではないかと、勝手に想像している。

 

このE1001はTRIPLEという別称があるように、トリプルドライバーの製品で、当時は1DD + 2BAの製品が2万切っているのは安い印象だった。

 

また1moreはライトユーザーをターゲットにしているようで、ケーブルにはマイクが付いており、ポタアン等を使わずとも、かなり完成度の高い音を出しており、スマホDAPへの直刺しを想像しているのではないかと思った。

 

そのため、今回はいくつかの音源は敢えてスマホにポタアンを挟まずに視聴している。

 

1,音質以外の評価
イヤーピースが直径が細かく分かれたものが入っており、シリコンタイプ5サイズ、フォームタイプが3サイズと豪華仕様だ。

 

ただしフォームタイプは個人的に高音が減衰し、音が篭りがちになるので、今回はシリコンタイプの直径13mmのタイプのものを使った。

 

フィット感は悪くないが、ノズルが太く、奥まで押し込んだら少し耳が痛くなってしまった。人を選びそうだ。

 

ハウジングは高級感があり、女性が付けても違和感のないお洒落さも持ち合わせている。

 

また新品購入であれば航空機アダプターや高級感のあるポーチが付くようだが、今回は中古品なので欠品だ。

 

2,音質評価
まず驚いたのが、トリプルドライバーという事だとアンプ等の駆動力のある物を挟まないと本領を発揮できないイメージだが、こちらのイヤホンはスマホに直刺しでも十分な音量が取れて、高音も伸びやかだ。

 

むしろアンプ次第では高音が刺さるようになり、聴き疲れの要因を引き起こす気もするので、敢えて直刺ししたい場面もある。ただポタアンを間に挟んだ場合も多少の変化があり、特に高音に関しては多少伸びが良くなる傾向にある。

 

高音は確かにBAらしく繊細な音がなっているのだが、低音の存在感が強く、それに打ち消されているような印象もある。良く聞き込めば、高音がしっかりと出ている事が確認できるはずだ。女性ボーカル物には滅法強い。

 

中音は解像度は高くないが出ている。むしろ、耳当たりを良くするために敢えてウォームで、リスニング向きな解像度にしていると思う。

 

低音は量感があり、包み込まれるような印象だ。この低音がBAらしからぬイヤホンと評価されている要因であり、DDのイヤホンしか使った事がない人でも違和感なく馴染める音質とも言えるし、反対にBAや、ハイブリッドドライバーらしい音質を期待すると肩透かしなのではないだろうか?

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源
Enslaved/Utgard(ブラックメタル) 〇

 

OPPO Reno3a(直刺し) + Apple Musicによるサブスク音源
・アポロノーム/Moment(J-POP) 〇
・mekakushe/光みたいにすすみたい(J-POP) ◎

 

OPPO Reno3a(直刺し) + Fiio Q1mk2 + Apple Musicによるサブスク音源
JUVENILE/INTERWEAVE(J-POP) ○

 

OPPO Reno3a + ibasso DC03 + Apple Musicによるサブスク音源
・NORIKIYO/相模川町(2020年,神奈川90年代系ラッパー) ○
・當山 みれい/still(J-POP) 〇
・BLACKPINK/THE ALBUM(K-POP) ○

 

●Fiio M9(直刺し)
・YOASOBI/怪物/優しい彗星(ALAC)(J-POP) 〇
・YOASOBI/THE BOOK(ALAC)(J-POP) 〇
大森靖子/Kintsugi(ALAC)(J-POP) 〇
Dir en grey/MACABRE(MP3)(ロック,ヴィジュアル系) ◎
Dir en grey/I'll(MP3)(ロック,ヴィジュアル系) ◎

 

Hikarimitainisusumitai by mekakushe on Apple Music
新鋭SSWの2021年1stアルバム。この手のアコースティックな音と女性ボーカル物は、このイヤホンが本領を発揮するところで、ボーカルの声も天高く伸びる。この音がスマホ直刺しで出ているのはすごい。

 

www.youtube.com

ウォームな音作りから、ロックのような刺々しい音は似合わないかと当初は思っていたが、このアルバムを聞いて驚いた。シンバルの音がしっかりと伸びていながらも、アコースティックなパートではモニターイヤホンのように繊細な音を奏でる。

他のロック向きのイヤホンが奏でる音とは異なるが、この聞き疲れせずとも、伸びるべき音は伸びる絶妙なバランスは素晴らしく、ロックにこそ向いているイヤホンではないかと思った。

 

【総評】

ポップスやロックをメインに聞く人なら、1本持っておけば万能に働く。直刺しでも、かなりの力を発揮するので、余計なものを持ち歩きたくない人にも良いかもしれない。

 

反面、リケーブルもできずアンプの効果も感じづらいため、退屈に感じる人もいるかもしれない。

 

また昨今は低価格でも音の良いイヤホンが増えてきたので、当時の定価であった13000円前後でもコスパが良いかと問われると微妙だと思う。ただハイブリッドドライバーでありながら、聞き疲れせず、耳当たりの良い音は貴重だと思われる。

 

中古で安く手に入るようなら、買って損のないイヤホンだ。

 

DENON「DENON AH-C710」生々しいベースの音と臨場感!!2009年発売の名機!

【高音】★★★★

【中音】★★★★

【低音】★★★★★

【傾向】ドンシャリ

【解像度】良い

【分離感】普通

【音場】近い

【フィット感】良い

【取り回し】普通

【ドライバー】1DD

【発売当時の値段】15000円ぐらい

【筆者が購入した値段】中古で1600

【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10

 

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中々に高級感があるイヤホンケース

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イヤホンを巻きつけて収納するタイプのケース。最近は巻きつける事自体が断線の原因になると言われていて、この手のケースはほとんど見なくなった。

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2009年発売、かなりのロングセラーとなり5年以上販売されていた。現在は販売終了している。

 

現在は後継機のAH-C720や、更に上位のフラッグシップモデルAH-C820等があるが、2009年に発売した当時は、こちらがDENONのイヤホンのフラッグシップモデルだった。

 

1、音質以外の評価

こちらのイヤホンは金属筐体にも関わらず、ケーブルがゴムで安っぽく見えて、あまり高級感が感じられない。

 

ただ2009年と言うと今のようにリケーブルが主流の時代でもなく、ケーブルに高級感が求められなかった時代だと思われるので、仕方ない事かもしれない。

 

ケーブル自体の取り回しは悪くないが、延長ケーブル付で、延長無しだと長さが中途半端。私は延長無しでワイシャツの胸ポケットや、ジャケットのポケットにDAPを入れて使っている。

 

純正イヤーピース3サイズとコンプライが付属するが、中古で買ったためコンプライは欠品だ。

 

ただし純正イヤーピースは硬くて高音がしっかりと出て、フィット感も良好。特別なこだわりがなければイヤーピースに交換の必要性を感じなかった。

 

2、音質評価

名機以外の何物でもない。2021年現在でも1万以下ならコスパが良いと感じてしまうし、こんなイヤホンが中古とは言え2000円以下で買えてしまったのだから恐ろしい。

 

まず特徴として、非常に金属筐体然とした硬めの音が出る。中古で買ってこれだったので、新品で買ってエージング前の物だと硬すぎて驚く人も多いのではないだろうか?

 

ただ、この硬さは高音の表現に秀でており、テクノのようなエレクトロミュージックから、ジャズにおけるシンバル、はたまたクラシックの金管楽器やピアノの音まで、素晴らしい音を奏でるのである。

 

ボーカルに関しては近くも遠くもない。昨今の女性ボーカルやアニソン等をボーカルメインで聴きたい方は別のイヤホンのが良いかもしれない。反対にリズム隊も含めて楽器メインで全体を聞きたい方にはお薦めできる。

 

低音は量感はあるのだが、極めて上質。オーケストラの金管楽器やジャズのベースなど、あまりの生々しさに驚嘆する。

 

またロックやパンク、メタル等のスピード感がある曲を聴いても、タイトで素晴らしい低音域を表現する。

 

これもできる、あれもできるどのジャンルに対しても万能に対応し、良質な表現をする。これが名機というものかと改めて驚かされる。

 

【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】

 

●Fiio M9(直刺し)

Asocial/Det Bittra Slutet(ハードコアパンク)

Underage/Demo 7-3-1983(ハードコアパンク)

King Gnu/CEREMONY(ロック)

XASTHUR/A Gate Through Bloodstained Mirrors(ブラックメタル)

 

OPPO Reno3a + xDuoo XD-01

Alfa Mist/Structuralism(ジャズ

Daniel Herskedal/Call for Winter(ジャズ)

Adrian Younge, アリ・シャヒード・モハマッド & ロイ・エアーズ/Roy Ayers JID002(ジャズ,ファンク)

 

OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源

・アヴィシャイ・コーエン/Arvoles(ジャズ)

 

OPPO Renoa fiio Qmk

デレク・ベイリー, エヴァン・パーカー, Hugh Davies, ジェイミー・ミューア & Christine Jeffrey/The Music Improvisation Company(ジャズ)

Benjamin Baker & Daniel Lebhardt/1942: Prokofiev, Copland & Poulenc(クラシック)

 

私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位で曲をあまり聞かないです。

かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △

 

Benjamin Baker & Daniel Lebhardtの「1942: Prokofiev, Copland & Poulenc」をApple Musicで

ヴァイオリンやピアノの音をこれ以上になく美しく奏でる。最高。

 

Underage/Demo 7-3-1983

www.youtube.com

実際に聞いたのはDICOGRAPHY CDから読み込んだ内容。元々の音質が悪いパンクの音源だが、こういった音源も楽しく鳴らす。高音の硬めの音がパンクロックに合っていると思う。

 

ロイ・エアーズ, Adrian Younge & アリ・シャヒード・モハマッドの「Roy Ayers JID002」をApple Musicで

ジャズファンクレジェンドの2021年のアルバム。ベースの音が目の前に迫ってくるような迫力で、上質な低音が素晴らしい。

 

とにかくどんなジャンルを鳴らしても、素晴らしい音色を鳴らしてくれるので、感動してしまう。

 

低音強めで、昨今のハイブリッドイヤホンの音とは全くの別物なのだが、古き良きを感じる。

 

敢えて言うのなら、昨今のデジタル処理された打ち込みのポップスよりは、生楽器の方が得意と思われるが、テクノなんかも相性が良いため一概に言えないところだ。

 

付属イヤーピースも含めて優れているので、同価格帯では敵なしであろう。リケーブルもできないため、完璧なイヤホンである事が、面白味がなく欠点とも言えよう。

Skullcandy「INDY」毎日パリピ確定の重低音イヤホン!!

【高音】★★★
【中音】★★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】少し悪い
【分離感】少し悪い
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】10700円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で3300円ぐらい
【点数】 ★★★★★★ 6/10
 

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正直に言うと、このイヤホン自体にあまり興味はなかったのだが、2019年の限定色の金色を、中古で安く見つけて衝動買いしてしまった。

 
こちらは新品だったらポスターや、特典のサングラスが付いた製品だったのだが、今回は中古で買ったので各種イヤーピースと充電コードのみが付属だった。
 
1、音質以外の評価
ケースはゴールドなので高級感があるが、通常カラーだと少し安っぽく感じそうだ。
 
イヤホンは少し取り出しづらい。スタビリティジェルを付けていれば、それを引っ張ると良いと思うが、マグネットの磁力に引っ張られるので、やはり多少は取り出しづらさを感じる。
 
このスタビリティジェルと言うのは、他のイヤホンだとイヤーウィング等と呼ばれ、耳の間に挟み込む事で装着感を上げるものだ。
 
実際に装着感は上がるのだが、1サイズで、しかも結構大きめなため、耳が小さな人は使用できなさそうだ。実際にイヤーピースをMサイズにして奥まで挿入しようとしたところ、ジェルが邪魔で奥まで入りきらずに装着感が落ちてしまった。
 
耳の小さな人はジェルを外して使っても良いと思う。
 
またコーデックはSBCのみ。通信は昨今の他のBluetoothイヤホンに比べると安定せず、何もないところで急に途切れたりする場面があり、向上の余地はある気がした。
 
2、音質評価
とにかく低音が大爆音である。TWSで、これだけ低音が出ているものは少ない気がする。
 
同社のヘッドホン、CRUSHERシリーズのイヤホン版のような音で、同シリーズが好きな方にはおすすめできる。
 
実は高音もそれなりに出ているのだが、低音のインパクトが強すぎて意識しないと印象に残らない。
 
これだけ低音の量感があるのだが、ボーカルはかき消されず、ポップスを聞くのも問題ない。ただ女性ボーカルよりは男性ボーカルのが得意な印象だ。
 
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
 
OPPO Reno3a + Apple Musicによるサブスク音源(SBC接続)
YUKI/Baby, it's you / My lovely ghost - Single(J-POP) 〇
フレデリック/ASOVIVA - EP(ロック) ◎
・Phantoms/Moonlight - EP(EDM) ◎
・THE PINBALLS/millions of oblivion(ロック) 〇
神はサイコロを振らない/文化的特異点(ロック) 〇
・ヤングブラッド/weird!(ロック) ◎
・マッドリブ/Sound Ancestors(ジャズ,エレクトロニカ) 〇
・LUCKY TAPES/Blend(J-POP) ◎
ちゃんみな/美人 - EP(ヒップホップ) 〇
・さとうもか/GLINTS(J-POP) 〇
ディジー・ガレスピー/Groovin' High(ジャズ) 〇
・Ralph/BLACK BANDANA - EP(ヒップホップ) ◎
 
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位で曲をあまり聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
 
良くも悪くも低音が出ているので、どんな音楽もそれなりに楽しく聞けてしまうのだが、好き嫌いがハッキリしそうだ。
 
他のイヤホンと聞こえ方が全く違うので、適しているかはわからないが、リズム隊の音がモリモリ聞こえて面白い。半面、ボーカル重視で聴きたいのであれば違うと思う。
 
UKロックの2020年リリースのアルバム。こういう骨太な洋楽ロックとの相性は抜群に良い。
 
R&Bやソウルをルーツにしたバンドの2020年作。ウォームに聞けるので心地よい。
 
ヒップホップ系はクラブで聴くような臨場感があるのでお薦めである。
 
かなり極端なサウンドで、ロック、EDM、HIP HOP、このどれかを中心に普段の音楽を聴き、尚且つ毎日パーティー気分でいたい人にはおすすめである。またジャズとの相性も比較的良い。
 
正直、サウンドはかなり大味で、繊細さや解像度を求める趣とは異なる。
 
アメリカン」という言葉をそのまま体現したようなサウンドで、豪快に音楽を聞きたい人にはお薦めだ。
 
使い勝手から音質まで、色々と足りない部分はあると思うのだが、サブイヤホンとして考えれば割と好きなタイプだ。
 
【点数】 ★★★★★★ 6/10






Noble Audio「TRIDENT」高音刺さりまくり!低音の量感多め!じゃじゃ馬イヤホン

【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★(量感多め)
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】悪い
【ドライバー】3BA
【発売当時の値段】48000円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で13000円ぐらい
【点数】 ★★★★★★★ 7/10

 

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三つ叉の矛の意味を持つTRIGENTの名を授けられたイヤホン。低音・中音・高音でピークが作られており、それを三つ叉に例えたのではないかと思うが、言い得て妙である。
 
また一時期からはパッケージが変わり、元々はアップグレードケーブルであったUltra Thin ケーブルが純正ケーブルとして付属するようになった。
 
Ultra Thin ケーブルは元々のNOBLEイヤホンの純正の黒いケーブルに比べると、かなり高レベルなケーブルで、高音が伸びるようになり、スピード感も増強されたように思われる。
 
ただし、このギターの弦よりも細いケーブルは、すぐに絡まり、尚且つ千切れそうで心臓に悪い。音は良いのだが、もう少しケーブルを太くできなかったのかと思ってしまう。
 
肝心の音質だが、かなりの暴れん坊、じゃじゃ馬、ハッキリ言うけど、あまり人気は出ないと思う(笑)。
 
まず高音はかなり強烈。楽曲にもよるが刺さりまくりだ。ただし価格相応の分離感で、かなり細かい部分まで音を再現しているのは、さすが数万円のイヤホンだけはある。
 
中音域は鮮明だが、ボーカルは少し遠く感じる。ただ、昨今のイヤホンはボーカルが近いものが多いため、比較してそう感じるのであって、本来適切な距離感のようにも受け取れる。
 
低音はDDのイヤホンには負けるが、3BAのイヤホンとしてはかなり量感がある方だと思う。
 
この低音の量は好みが分かれそうな部分で、個人的には歓迎だが、もっとスッキリと聞きたい人もいるだろう。
 
色々と不満も書いたが、やはりポータブルアンプ等を通して適切な環境で聴いた時には、「数万円のイヤホンスゲー!!!」という感動のあるチューニングにはなっている。
 
・イヤーピース
イヤーピースは最初は純正のシリコンタイプのクリアの物を使っていたが、フィット感が悪く、後半は純正のフォームタイプ(コンプライ系)に変更した。
 
Nobleの付属のイヤーピースは正直、褒められたものではなく、黒いタイプのものはツルツルと滑り、全サイズ耳にフィットしない。
 
クリアタイプは黒色に比べて幾分かマシだが、Mだと小さすぎて、Lだとフィット感が悪く耳も痛くなり、低音も減衰してしまっている気がした。
 
フォームタイプはその特性上フィット感が良く、高音も出ていたため、一番適切だった気がする。Nobleイヤホンはステムが太いため、他社製のイヤーピースでもスムーズに付けられるものが限られるのが苦しい。
 
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
 
OPPO Reno3a + μAMP109G2 + Apple Musicによるサブスク音源
・MIGMA SHELTER/ALICE(2020年EDM,アリプロ系アイドル) ○
・7ORDER/ONE(J-POP) 〇
・當山 みれい/still(J-POP) 〇
・ジョエル・ロス/Who Are You?(ジャズ) ◎
 
OPPO Reno3a + Fiio Q5s(aptx接続) + AM3D
宇野実彩子 (AAA)/Sweet Hug(2021年ソロアルバム) ○
・デューク・デュモン/DUALITY(EDM) 〇
・Of Feather And Bone/Sulfuric Disintegration(デスメタル) ◎
・Snorlax/II - EP(ブラックメタル) 〇
 
OPPO Reno3a(直刺し)
indigo la End/濡れゆく私小説(2019年作) ○
 
●Fiio M9(直刺し)
・Emerson Lake & Palmer/Tarkus(プログレ,AAC音源) △
・中村佳穂/AINOU(J-POP,ALAC音源) ◎
・瑛人/すっからかん(J-POP,ALAC音源) ◎
 
●NW-ZX300(直刺し)
大森靖子/kintsugi(J-POP,ALAC音源) 〇
 
若手ヴィブラフォン奏者の2020年のアルバム。楽器の音も鮮明に再現して、トリップ感がある。非常によく奏でていたと思う
 
J-POPの2018年名盤。エレクトロニカなバックを中心にボーカルを引き立たせる。元々の音源との相性もあっただろうが、Fiio M9の押し出しの強い低音とTRIGENTの高音が得意な性質が上手くマッチしたと考えており、DAPとイヤホンの相性が良かったんじゃないかと思っている。
 
クラストコアなどのハードコアパンクの影響下にもあるデスメタル。暴力的なドラムの洪水を見事に再現。シンバルの音の伸びも良い。案外、ハードコアなメタル等の再現に優れているのかもしれない。
 
元々のTRIGENTのチューニングだと低音の沈み込みが甘く、あまりEDMに向いているとは言えないのだが、ポタアンのbass増強スイッチをONにしたら、見事なまでにクラブのライブ感を再現した。イコライザー等がいじれるのであれば、低音部を補強する事でEDMもかなり楽しんで聞く事が出来る。
 
Nobleのジョン・モールトン氏のチューニング解説では「低域と高域を強調したポップなチューニングがなされた」との事だったので、開発者の予想外にヘヴィメタルやジャズ、インスト物に強くなってしまったのではないかと思った。
 
またイコライザーを弄れば、ありとあらゆるジャンルに対応できそうな器の広さも持ち合わせている。
 
ただし、割とどのジャンルもクールに鳴らすところがあり、楽曲にマッチすれば良いのだが、楽器の艶や、女性ボーカルの色気を感じられる事は少なく感じた。無機質な印象がある。
 
またEmerson Lake & Palmerの「Tarkus」なんかは高音がかなり主張するため、騒々しくて落ち着かない場面もあった。
 
上記のような癖も含めて初心者向きとは言い難く、ある程度イヤホンに精通した人に向いていると思う。
 
ボーカルではなく、演奏メインでPOPSを聞く場合は心地よく聞けて、激しめのヘヴィメタルバンドでも音の分離が良く、音そのものを楽しみたい人とは相性が良いと思われる。何にしても視聴は必須と言えるだろう。

Tao Tronics「SoundLiberty 97」低価格ワイヤレスではダントツでお薦め!!

【高音】良い
【中音】良い
【低音】良い
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】4000円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で1000円ぐらい
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【名機認定!!!】

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中古で安かったので買ってしまったのだが、正直、このイヤホンにはかなり驚かされた。
 
安価なイヤホンで、これだけ音楽を楽しく聞けるチューニングが出来るのかと驚いたし、オーディオが趣味とかでなければ、下手な高級イヤホンを買わずとも、このイヤホンでゴールできるだけのポテンシャルがあると思った。
 
Tao Tronicsの過去のイヤホンは比較的中音域重視で、ボーカル表現は悪くないが低域がスカスカ、悪い意味で価格相応を感じる物も多かったのだが、このイヤホンに関しては格別に良い。
 
1、音質以外の評価
コーデックもaptxに対応。都心部の人が密集した場所では、たまに接続が途切れる事もあったが日常生活では気にならないレベルだ。
 
ケースはシンプルなものだが、安価なイヤホンにしては高級感がある。またケース自体がかなり小さく持ち運びしやすい。ファッションを選ばないベーシックなデザインも使いやすい。
 
イヤホンは掴みづらくマグネットの磁力に引っ張られるので、少し取り出しづらい。
 
また丸みがあり、ツルツルしたハウジングなので、おっちょこちょいの人は落とす可能性があるだろう。緊張感を持って取り出した方が良い。
 
イヤーピースはツルツルしていてフィット感に乏しいので、お金に余裕があれば交換した方が良いだろう。ケースがかなりコンパクトなので、Spinfit CP360みたいな傘が薄い物が好ましいと思う。
 
私は普段はLサイズを使うのだが、けっこう耳の奥まで挿入するタイプなのでLサイズだと耳が痛くなってしまい、純正のMサイズを使用した。
 
2、音質評価
高音は繊細では無いがTWSの中ではかなり主張がある方だと思う。ガチャガチャと煩く感じる事もあるが、現代的なPOPSや打ち込み音楽との相性は良さそうだ。
 
中音域はギター等の弦楽器の音が繊細、かつ躍動感があるように表現されていて楽しい。楽器の解像度は安価なTWSとは、とても思えない。
 
TaoTronicsのイヤホンは低音が出ない印象があったが、こちらの「SoundLiberty 97」に関しては低音の量感がかなりある。ただし沈み込みが浅くタイトな低音なので、全体的な音像はスッキリした印象だ。
 
低音過多やドンシャリが嫌いな方でも試してみてほしい、心地よい低音だ。
 
【このイヤホンレビューのために聞いたアルバム】
 
HUAWEI P30 lite(aptX接続)★
・GYROAXIA/ONE(アニソン) 〇
・リーガルリリー/bedtime story(J-POP,シューゲイザー) 〇
・羊文学/Power(J-POP,シューゲイザー) 〇
 
★fiio M9(aptX接続)★
・ずっと真夜中でいいのに。/ぐされ(J-POP) ◎
・TWICE/Eyes wide open(K-POP) ○
・DAOKO/DAOKO(J-POP,ヒップホップ) ◎
Perfume/Time Warp(J-POP,テクノポップ) ◎
・Dark Angel/Leave Scars The Black Edition(スラッシュメタル) 〇
 
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位で曲をあまり聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
 
量感のある低音が気持ちよく、ボーカルも綺麗に再現されている。音数の多いアルバムだが、非常に楽しく聞かせてくれる。
 
高音の主張が激しい分、打ち込み系のポップスとの相性も抜群に良い。エレクトロニカ + 女性ボーカルのような組み合わせのものには滅法強いと思う。
 
低価格帯のTWSはポップス、特にボーカルが映えるようにチューニングされている事が多く、ヘヴィメタルなんかは全く向いていない事が多いが、こちらのイヤホンは低音の量感があり、高音も主張が激しいため、スラッシュメタルのようなスピード感がある楽曲も、それなりに楽しく聞けてしまった。決してすごく合っているわけではないが、特殊なジャンルにも許容があるのが嬉しい。
 
数年前の5000円以下のTWSは音質的にも酷いものが多かったのだが、このイヤホンを聞いたときは良い意味で驚かせられた。
 
勿論、価格帯なりなり雑味もあるのだが、それ以上に音楽が楽しく聞ける内容になっており、高額なイヤホンを持っていても楽しみたくなる魅力のあるイヤホンだ。
 
個人的にも一押しの1本である。
 
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【名機認定!!!】