【高音】★★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】広い
【フィット感】普通
【取り回し】良い
【ドライバー】1BA
【発売当時の値段】115000円ぐらい
★良い点★
・どこまでも伸びる高音
・1BAとは思えない程の力強い低音
・空間表現能力がかなり高い
★悪い点★
・高音が刺さる
・ハウジングが重く、多少フィット感の調整が難しい
こちらは今ではE3000のヒットですっかり有名になったオーディオメーカーFinalの、2015年当時のフラッグシップモデルである。
現在は廃盤で入手困難。また当時から11万5千円という値段が度肝を抜いた。
本来であればイヤーピースのEタイプとAタイプが付属するはずなのだが、私は中古で買ったのでEタイプしか付属していないため、Eタイプでレビューさせていただく。
1、音質以外の評価
ケーブルは絡まりづらく取り回しが良くて、特別に困る事はない。
装着感は、形状を見るに直接耳に差し込む形で使っていたのだが、ハウジングに多少だが重さがあるため、装着感が安定しづらい。
私はイヤーピースを普段より1サイズ下げたSサイズで奥に押し込む形で使用し、尚且つZERO AUDIOのヘッドホンクリップで胸元にケーブルを固定する事で、かなり良い装着感を得られた。
またFinal製のイヤーフックを使えばシュア掛けもできるかもしれないので、気にならない人は、その方が装着感が良いかもしれない。
2,音質評価
高音はかなり伸びる。刺さる事もおかまいなしなので、刺さりが嫌な人には向かないかもしれない。
ただ楽器の音を細部まで再現し、音の余韻を残す音作りには感動する。今まで聞こえてこなかった音が聞こえてくる。
中音はフラットに鳴らされており、奥行きがあるように感じる。
低音は1BAとは思えない程の量感だが、嫌味な感じは一切なく、この低音が土台を固めていてくれるおかげで、ほぼ全てのジャンルの音楽に対応が可能となっている。
特別、ジャンルの得手不得手はなさそうだが、ポップス、特に女性ボーカルものは相性が良さそうだ。
またシューゲイザーやノイズ等のニッチな轟音系のジャンルも、音の粒まで拾うかのような解像度と、包み込むような音場で、楽しく聞かせてくれる。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●Cayin N5ii(3.5mm 直刺し)
・tricot/10(ロック,女性ボーカル) 〇
・SPK/Information Overload Unit(ノイズ,インダストリアル) 〇
・Deviated Instinct/Rock 'N' Roll Conformity(ハードコアパンク) 〇
●Astell&Kern A&norma SR25 + NIK58-TUBE
・my bloody valentine/Isn't Anything(シューゲイザー) 〇
・ずっと真夜中でいいのに。/ぐされ(J-POP,女性ボーカル) 〇
・Official髭男dism/Editorial(J-POP,ロック) 〇
・ReoNa/unknown(アニソン,女性ボーカル) ◎
●Astell&Kern A&norma SR25 + Amazon Music HDによるサブスク音源
・SOMETIME'S/CIRCLE & CIRCUS(ロック,R&B) 〇
・ダニール・トリフォノフ/BACH: The Art of Life(クラシック,ピアノ) 〇
・Klingzeug Barockensemble/Memento Mori(クラシック) 〇
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
アニソン歌手の楽曲。一番相性が良いのは、やはり女性ボーカルのポップスだと思う。
マニアックなノイズミュージックも音の粒子まで聞こえてきそうな解像度。
【総評】
非常に楽しく音楽が聴けて、ジャンルも満遍なくいけるという万能イヤホン。BAにしては低音の良感がある事が功を奏していると思う。
飽きる事なく聴ける使い勝手の良い高級イヤホンだった。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10