【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】良い
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】普通
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】14520円
★良い点★
・深みのある低音
・埋もれない中・高音域
★悪い点★
・派手な音作りでフラットではない
こちらは既に碧(ソラ)シリーズが好評を博していたintimeの、当時としては高級な価格帯のイヤホンだ。
今でこそ、翔や碧Ti3などの上位モデルが出てきたが、当時は5000円以下のリーズナブルなイヤホンを提供していたintimeが、1万円代のイヤホンをリリースし、MMCX端子でのリケーブルも可能ということで話題になった。
同時発売した煌(キラ)は高音重視、こちらの轟(ゴウ)低音重視という特徴を持っている。
今回はこちらのイヤホンをレビューしてみよう。
1、音質以外の評価
樹脂とステンレスの合体した筐体は軽量化を兼ねて意図的に作られたようだ。
確かに軽くて手軽なのは良いのだが、見た目の部分では初代の碧のが高級に見えた。
他の1万5千円前後のイヤホンと比べても、高級感があるとは言い難いと感じたが、そもそもスマホに直接挿して気軽に持ち運ぶことを重視しているので、これはこれで良いような気がする。
軽い割には装着感があまりよくない。付属している「CP145」というイヤーピースの装着感もいまいちだし、シュア掛けじゃないため耳奥から抜けやすいように感じる。
ケーブルは取り回しがよくタッチノイズもほとんど感じなかった。
2、音質評価
高域はかなり出ている。鮮やかに伸びる高域はintimeのお家芸とも言える。
初めて聞く人は高域重視のイヤホンを買ったのかと錯覚するんじゃないかと思うほどだ。
中域も明瞭。歌声はしっかりと耳に入ってくる。
低域は売りとなる部分なので沈み込みも深いのだが、正直、名前や前情報から想像していたほどの量感がある低域ではない。
全体とのバランスをとって、適度な量感がある印象だ。
こちらは低域重視と謳われたイヤホンではあるが、低域だけでなく全域が主張しているという印象だ。
全体のバランスは良いが、間違ってもフラットな音ではない。
普段は誇張されていない帯域が目立つため、音源によっては聞こえなかった音が明瞭に聞こえてくるように感じた。
EDMなどは想定通りに向いているのだが、案外普通のポップスやボーカルものを聴いても楽しい。
むしろJ-POPをテンション高めに聞きたい人や、ベースの音などを目立たせて聞きたい人のが楽しめるのではないかと感じたぐらいだ。
また低域重視のイヤホンにも関わらずピアノの音なども滑らかに再現するため、キーボード入りのポップスなんかも楽しく聞けた。
スピード感のあるスラッシュメタルなども聴いてみたが、低域以上に高域の金物の音が目立つため、うるさいのが嫌いじゃない人には良いかもしれない。
多くの低域重視のイヤホンはボーカルは埋もれなくとも、伸びやかとは言えない傾向にあるが、轟に関しては女性ボーカルなども、めちゃくちゃ伸びるので、ボーカル重視の方にもおすすめできる。
アンプを通すと低域に締まりが出るが、スマホ直挿しのが量感は感じられて、どちらにも一長一短あると感じた。
メーカーの謳い文句通り、スマートフォンだけでも十分に鳴らすことができるが、それと同時に再生機器にこだわれば音の変化も大きそうで、ポテンシャルを感じた。
【総評】
正直に言えば、この価格帯には優秀なイヤホンが多数あるため、敢えてこのイヤホンを選ぶ必要はないと思う。
シュア掛けせずに気軽に使えるイヤホンを探している方、intimeのファンの方には良いかもしれない。
もっと良いイヤホンは同社の作品にも、他社にもあると思うのだが、個人的に手放せない1本。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●Cayin N5ii(3.5mm 直刺し)
・DAOKO/THANK YOU BKUE(J-POP,女性ボーカル) ○
・Twice/Eyes wide open(K-POP,女性ボーカル) ○
・ヨルシカ/創作(J-POP,女性ボーカル) ◎
・SLAYER/SOUTH OF HEAVEN(スラッシュメタル) ◎
・CHINOZO/The Deluge(ボカロ) ◎
●Oppo Reno3 A(直挿し) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・Surgeon/Basictonalvocabulary(テクノ) ◎
・Fat Boy Slim/You’ve Come a Long Way Baby(テクノ) ◎
・MuKuRo/The 1st(ヒップホップ)
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △