【高音】★★★★
【中音】★★★★
【低音】★★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】普通
【フィット感】良い
【取り回し】普通
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】14800円ぐらい
【筆者が購入した値段】中古で3180円
agというブランドからリリースされたTWS04K。オーディオファンにはfinalが音の監修をしている事で名が知れたブランドだろう。
シリーズとして続いており、前作に当たるTWS03Rはリーズナブルな価格帯とお値段以上の音でロングセラーを記録している。
こちらはag初のTWSとなったTWS01Kの後継機に当たるもので、「マニアのサブ機」をキャッチフレーズとしており、お値段も他の型番に比べて高めの14800円となった。
1、音質以外の評価
革シボ仕上げのイヤホンケースは高級感があり、所有欲が満たされる。
ハウジングはツルツルと滑りやすく、少し取り出しづらい。落としそうで不安もある。
今作発売を契機に、名作イヤーピースのfinal EタイプのTWS用の物が付属で付いてくるようになった。
こちらが装着感抜群で、柔らかめのイヤーピースで、耳に優しい。サイズも新品で買えば複数付いてくるため、自分にマッチするものを選べるだろう。
一般的な歩道、電車内などでは音飛びはなかったが、新宿や渋谷の大きな交差点では頻繁に片耳だけ音が聞こえなくなるような現象が起こった。交差点から離れて数秒すると音は復帰した。
ただし、ズボンのポケットにスマホを入れていたのと、aptx接続である事を考えると混雑した場所で切れて当然であり、むしろそれ以外の箇所での接続性の高さは称賛に値するだろう。
ただ一般的に接続が良いと思われるTWS(AVIOT TE-D01d等)に比べると、混雑した場所では少し途切れやすいのかなと思った。
2、音質評価
出てきた音には結構驚きである。
高音はしっかりと出てはいるが、角が取れたような音で刺さりとは無縁。優しく包まれているかのようだ。
中音域は出ているが、存在感は薄め。男性ボーカルよりは女性ボーカルのが得意で、低音がしっかりと鳴っているにも関わらず、女性ボーカルは前に出てくるような印象がある。
低音はかなり凄い。かなり深いところから出ている。量感もあり包み込まれるようだ。
解像度重視の音ではないため好みは分かれそうだが、個人的には大歓迎。バンドサウンドのベースやドラムの音が凄い臨場感を持って再現される。
かと言って一般的なドンシャリのような刺激的な音ではなく、臨場感はありながらも、落ち着いた印象の音と言えるだろう。
個人的に、このイヤホンは空気感の再現に優れていると思った。まるでコンサートホールやライブハウスで音楽を聴いているように錯覚する。
またロックやポップスは勿論、クラシックの弦楽器等の表現が繊細で、クラシックとの相性は抜群に良い。
またスピード感はそれなりにあるが、BABYMETALの楽曲のような爆速の音楽だと、音が混在する印象があり、音数が少ないものの方が上手く表現できている気がした。
昨今のデジタルなロックよりは生楽器の音のが合いそうだが、比較的ジャンルを選ばないチューニングだとは思った。
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
・LISACHRIS/Akasaka(Ultra HD配信)(ヒップホップ) 〇
・Nullbaich/NEW GRAVITY(Ultra HD配信)(ロック) ◎
・サンダーキャット/It Is What It Is(Ultra HD配信)(ジャズ,エレクトロニカ) ◎
・ado/踊(HD配信)(J-POP) 〇
・ado/夜のピエロ(HD配信)(J-POP) 〇
・Emmanuelle Bertrand & Pascal Amoyel/Johannes Brahms: Sonatas & Liebeslieder for Cello and Piano (Bonus Track Version)(Ultra HD配信)(クラシック) ◎
・Polikarpa y sus viciosas/Hijas De La Rebeldía(HD配信)(ハードコアパンク) 〇
・Théotime Langlois de Swarte & ウィリアム・クリスティ/"Générations" Senaillé & Leclair : Sonatas for Violin and Harpsichord(Ultra HD配信)(クラシック) ◎
・NEHANN/New Metropolis(HD配信)(ロック) ◎
・KornⅢ:REMEMBER WHO YOU ARE(HD配信)(モダンヘヴィネス) ◎
・ましのみ/ぺっとぼとレセプション(HD配信)(J-POP) ○
・ゲスの極み乙女/ストリーミング、CD、レコード(HD配信)(J-POP) ○
・きのこ帝国/フェイクワールドワンダーランド(HD配信)(J-POP,女性ボーカル,シューゲイザー) ○
●NW-ZX300(aptx接続)
・BABYMETAL/METAL RESISTANCE(ALAC)(ヘヴィメタル,女性ボーカル) 〇
・Joy Division/Unknown Pleasures(AAC)(ロック) 〇
・Jimmy Eat World/Clarity(AAC)(エモ) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △
各楽器の音が繊細に表現されており、ドラムも迫力があってライブ音源のような臨場感だ。
低音が土台を支えて音に包まれるような感覚で最高。
【総評】
ロックやポップスも抜群の相性を発揮する事があるが、クラシックは何を聞いても、めちゃくちゃに相性が良い。
空間表現も見事だし、楽器の音の繊細さはTWSである事を忘れるぐらいだ。
激しい音ではないが、ライブ音源や、ライブ感を感じるロックの音源などは、かなり楽しんで聞けるだろう。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10