【高音】★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★★★
【傾向】ドンシャリ
【解像度】普通
【分離感】普通
【音場】広い
【装着感】良い
【発売当時の値段】25000円ぐらい
★良い点★
・優しい音で聴き疲れしづらい。
・リスニングライクで楽しく音を聞かせてくれる。
・比較的ジャンルを問わない。
★悪い点★
・低音は多少ボワつき、解像度重視の音ではない。
・音数の多い曲やスピード感のある曲は多少苦手だ。
HD595の後継機種で、HD500シリーズの当時のトップモデルがHD598だ。
「プリン」の愛称で親しまれ、一般的に名機とされる1本だ。
現在は廃盤となっているが、色合いも含めてデザインを継承し、高域に解像度の向上が感じられるHD599が後継機種として登場。
またAmazon限定で発売されているHD598SE(開放型でマイク無し)、HD598SR(開放型でマイク付き)、HD598CS(密閉型)のモデルがあり、こちらは黒を主体としたカラーリングに変更されている。
このような様々なバリエーションモデルに継承されて現在でも支持される名機だが、今回はそのオリジナル版をレビューする。
1、音質以外の評価
アイボリーを主体にダークブラウンのイヤーパッドなど、色合いは個人的にお洒落に感じる。
全体的にプラスチッキーで、昨今の低価格帯のヘッドホンの高いクオリティと比較すると、値段の割には安っぽく見えるかもしれない。
また中古品でもよくあるのだが、ヘッドバンドにヒビが入りやすく、ヘッドバンドを開く時は慎重に行った方が良さそうだ。
装着感は軽く側圧も弱め。長時間使用にも耐えられる反面、かなり弱めの側圧なので、隙間から音が逃げているのではないかと不安になってしまう(笑)。
プラグは6.3mm、付属のアダプターを付けると3.5mmだ。
3.5mmのプラグに6.3mmのアダプターを付けるパターンはよくあるが、逆は珍しいと思った。
ケーブルの長さは3mで自宅で使う事を想定していると思われる。
ちなみにバリエーションモデルのHD598SRやHD598CSには外出を想定しているであろう1.2mのケーブルが付属する。
勿論、このHD598も持ち出す事は可能だろうが、開放型で音漏れするため、電車内などで使用するのは厳しいと思われる。
2、音質評価
高域はしっかりと出ているが、優しめで、刺さりとは無縁だ。
中域は綺麗に再現されており、特に女性ボーカルものは得意としている。
低域は量感があり、誤解を恐れずに言えばボヤけた印象だ。
ただ、この特徴的な低域のおかげで聞き疲れしづらい音となり、幅広いジャンルに対応できていると感じた。
全体的に優しい音で、スピード感のある楽曲よりはスローテンポの曲や、アコースティックな楽曲のが合う印象だ。
ただ低域の印象はアンプ次第で変わるイメージで、例えばFOSTEX HP-A3を使用した際には低域がタイトになり、よりロックなサウンドに合うと感じた。
個人的に得意と感じたジャンルはポップス、女性ボーカル、ロック、ヒップホップ、ジャズ、クラシックだ。
比較的どのジャンルでも一定以上のクオリティで鳴らしてくれるのが嬉しい。
【総評】
解像度が高いわけでもなく、スピード感があるわけでもない。
昨今の流行とはかけ離れた優しい音なのだが、音の余韻が癖になるヘッドホン。
また私はHD598で多数の映画を見てきたが、映画との相性は抜群なので是非試してみてもらいたい。
単純な性能であればHD598より良いものは多数あるが、この音の中毒性は他の機種では体験できないだろう。
またFostex HP-A3との組み合わせでは低音のボヤけた感じが幾分かタイトになり相性が良いのでおすすめだ。
【点数】 ★★★★★★★★★ 9/10
【名機認定!!!】
【ヘッドホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●MacBook Air + Fostex HP-A3(100均のノーブランドの変換アダプタにてTYPE CをTYPE Aに変換→付属の純正ケーブルによる接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・fromis_9/Midnight Guest - EP(K-POP,女性ボーカル) 〇
・CrazyBoy/HIP LIFE:POP LIFE(ヒップホップ) ○
・dodo/again(ヒップホップ) 〇
・GARNiDELiA/Duality Code(女性ボーカル,ロック) 〇
・宇宙ネコ子/日のあたる場所にきてよ(女性ボーカル,シューゲイザー) ◎
・まちだガールズ・クワイア/オリオン座流星群(J-POP,女性ボーカル) 〇
●MacBook Air + ONKYO DAC-1000 + Velve X SE+ Amzon Music HDによるサブスク音源
・FKA twigs/CAPRISONGS(ポップス,女性ボーカル) ◎
・ジョナサン・ブレイク/Homeward Bound(ジャズ) ◎
●MacBook Air + LUXMAN DAC-100(Wagnus USBケーブル Milky BeamzによるUSB接続) + AT-HA22TUBE(ELPA オーディオケーブル・RCAケーブルにて接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・匿名ミラージュ/此処は日本(J-POP,女性ボーカル) ○
●MacBook Air + LUXMAN DAC-100(Audioquest CINNAMONによるUSB接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・つじあやの/HELLO WOMAN(2022年,女性SSW20周年アルバム) 〇+
・小曽根 真/OZONE 60 (STANDARDS)(2022年,60歳記念アルバム,クラシックとジャズの魅力を伝える) 〇
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △