【高音】★★★★
【中音】★★★★★
【低音】★★
【傾向】フラット
【解像度】良い
【分離感】良い
【音場】普通
【フィット感】悪い
【取り回し】悪い
【ドライバー】1DD
【発売当時の値段】13068円
★良い点★
・高い解像度と分離感
★悪い点★
・フィット感が悪い
・低音が少ない
こちらはオーディオテクニカのモニタリングイヤホンのエントリークラスの物だ。
独自開発のモニタリング用デュアルフェーズ・プッシュプル・ドライバー(φ12.5mm×2)を搭載しているのが売りだ。
今回はこちらのイヤホンをレビューしてみよう。
※今回こちらのイヤホンを中古で購入したのだが、元からRosenkranzのAuto Rosenと呼ばれる政振ステッカーが貼られていた。今回は敢えて剥がさずに使用しているので、ATH-E40本来の音とは印象の異なるレビューになる可能性をご了承いただきたい。
ちなみにAuto Rosenは「イヤホン・ヘッドホンの左右の音を調和に導く優れモノ(公式より)」との事だ。
1、音質以外の評価
とにかく装着感が悪い。具体的には耳にかけるためのワイヤーの形を自分で捻って作るのだが、このワイヤーが硬い。
上手く耳に這わせないとイヤホンが外れやすくなったり、ステムが奥まで入らず低音が犠牲になる可能性がある。
ベストな装着感を探すまでが難しく、また上手く見つけ出せたとしても硬めのワイヤーが耳に掛かるため、長時間の使用は疲れそうだと感じた。
イヤーピース自体は悪くないのだが、ステムが短く、奥までイヤーピースを押し込むような使い方が物理的にできない印象だ。
耳の穴を浅く塞ぐような印象でフィットさせると良いと感じた。
装着が上手くできていないと低音の印象がかなり変わるので、自分なりのポジション探しには少し時間を掛けた方が良いと感じた。
またケーブルコードは1.6mとのことだが、一般的なイヤホンより少しだけ長めに感じた。
ケーブルのワイヤーが硬いのと、どうにも耳穴が痛くなる形状のようで、1、2時間なら問題ないが、5時間以上の使用では少し耳が疲れるような感覚があった。
2、音質評価
高域はかなり鮮明。同価格帯の他のイヤホンでは聞こえないような音が鮮明に聞こえてくる。
余韻は少なめだが女性ボーカルなんかは伸びやかでよく感じた。
中音域も明瞭。ボーカルは少し前に出る印象だ。
低域は量感少なめで優劣を判断する前に存在感を感じづらい。
イヤーピースの装着感によっても音の印象が変化するが、個人的にはあまり評価に値しないと感じた。
モニターヘッドホンでかなり細かい音まで拾えるが、フラットとも言いづらい変わったチューニングバランスだ。
ただ中高音域の明瞭さは1万円前後のイヤホンの中でも際立ったものを感じた。
音数の多いアニソンやロックも良かったが、個人的にはクラシックやジャズ、女性ボーカルが際立って良く感じた。
癖のある装着感と音なので万人には薦めづらいが、個性的で楽しめる音だと感じた。
全体的に寒色系の音でクールな表現だがリスニングにも向いていると感じた。
スマートフォン直挿しでも十分に性能を発揮できると感じたが、ポータブルアンプの接続で更なる音の広がりを感じたのでポテンシャルも十分だ。
【総評】
独特のデザインも含めて評価したい1本。オーテクらしい尖ったチューニングバランスも個人的には好印象だ。
装着感の悪さを乗り越えても使いたくなるような魅力はあると感じた。
【点数】 ★★★★★★★★ 8/10
【イヤホンレビューに使ったDAP,音源,アルバム】
●OPPO Reno3a + Fiio Q5s(LDAC接続) + AM3D(3.5mm) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・ファビオ・ビオンディ & エウローパ・ガランテ/Mendelssohn(クラシック) ◎
●Fiio X3 2nd generation(3.5mm 直挿し)
・PSYCHO-PASS Complete Original Soundtrack(Disk2) ○
・やなぎなぎ/エウアル 初回限定盤(CD2枚) ○
●Huawei P30 lite + ADL STRIDE + (ADL EVO0402SHRFMJによるアナログ接続) + Amazon Music HDによるサブスク音源
・KYOTO JAZZ SEXTET/SUCCESSION(ジャズ) ◎
・オー・ワンダー/22 Make(ポップス) ○
・八王子P/HIDEOUT(ボカロ) ○
・The Beths/Expert in a Dying Field(パンク,ロック) ◎
※私はアルバム全曲を通して聴く事を好み、1曲単位では聞かないです。
※かなり相性が良い→◎ 相性が良い→〇 あまり良くない △